未来地図代表 代田昭久
先月の3月27日、東京で行われた、室伏広治 スポーツ庁長官、三屋裕子 日本バスケットボール協会会長、永田恭介 筑波大学長が、部活動について話し合うシンポジウムのコーディネーターを務めました。直前の打ち合わせでは、ワールド・ベースボール・クラシック(W B C)で日本が優勝した直後とあって、その話題で盛り上がりました。
三屋さんが室伏さんに「吉田選手の活躍、本当に良かったですね」と、言葉をかけていて、吉田選手とどんな関係かを知らなかった私は、室伏さんに尋ねました。
「2017年に、びっしりと書かれた直筆の手紙を吉田選手からもらい、それ以来、指導を続けています」と室伏さん。
吉田正尚(よしだまさたか)選手といえば、オリックス・バッファローズで2年連続の首位打者を獲得し、侍ジャパンでも4番としてチームを牽引。今年から大リーグの名門、レッドソックスの一員です。ただ、プロ入りをしてから腰痛に苦しみ、手術も経験し、正しいトレーニング方法を模索している中で、当時面識のなかった室伏さんに助けを求めたそうです。
「どんな指導をしたのですか」と質問したところ、室伏さんは、筋肉をつけるだけでは打球を遠くに飛ばすことはできないこと、室伏さんご自身が編み出した『紙風船』を使った筋力トレーニングのこと、そして、吉田選手がすごい向上心を持っていることを、話してくださいました。
そして、シンポジウムの中でも強調されていましたが、「スポーツの指導者は、その競技特有の専門的な指導よりも先に、まずは人間としての身体機能を向上させる指導が重要である」。だから、室伏さんは、金メダルを獲得したハ
ンマー投げの指導に止まらず、野球など全ての競技を指導ができる。そして、スポーツに止まらず、成果を出していくには、まずは土台・基礎を育むことが大切なのだと納得しました。
現在、大リーグが開幕して約一ヶ月、吉田選手は華々しい活躍を続けています。正しい知識や技術を獲得したいという人並み以上の向上心を持った選手とその意欲に応えられるだけの研究を積んだ指導者。その出会いがこうした奇跡を生んでいるのだと感じています。
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