未来描く道標11(令和 5年 5月 10日)茶摘みの体験

未来地図代表 代田昭久

「茶摘みをしてみたい」という子どもたちの要望に応え、未来地図のわくわ
くキッチンクラブでは、5月4日に天龍村・中井侍(なかいさむらい)に出かけ
ました。
高低差365m、平均斜度約27度の急斜面を車で上がっていくと、陽の光を受け
て春色に輝いた茶畑が広がっています。その眼下には雄大な天竜川が望めま
す。
農家さんから手ほどきを受け、茶摘みの開始。新芽の手触りは、しっとりと
していて、手に吸い付いてくるような感じです。茶摘みでは「一芯二葉」(一
つの芯とその横の二枚の葉)がポイントだと言われますが、「古い葉が入らな
ければ、大雑把でもいいよ」と教えていただき、子どもたちは、豪快に掴(つ
か)み取っていきます。
お昼には、初摘みの「新茶」をいただきました。柔らかな香りと優しい口当た
り。子どもたちからも「美味しい」「すっきりしてる」、さらには「渋いなぁ」
という声も聞こえ、普段飲んでいるお茶とは一味違いました。
午後1時すぎには、参加した11名で目標の30キロを大きく超える52キロの茶
葉を収穫しました。収穫された新茶は「中井侍製茶工場」に持ち込まれます。
「うわぁ、葉っぱのいい香り」。摘んだばかりの茶葉を短い時間で蒸しあげる
のが特徴で、工場にはお茶の葉を蒸した香りが充満していました。そして、若
者も含めた4〜5名の農家のみなさんが、忙しそうにしながらも、はつらつと
作業をしていました。
子どもたちが、「してみたい」ことを体験することは、彼らの成長にとって
極めて重要なことです。今回の茶摘みでは、普段、自分の口にする飲み物がど
うやって作られているのかを知ることができただけではなく、大自然を体感
し、五感を研ぎ澄ましながら、生産者の苦労や努力を理解することができたの
ではないでしょうか。こうした経験の積み重ねこそが、子どもたちの豊かな感
性を養い、自分の未来を描く力になるのだろうと思います。

雄大な天竜川を望みながら、天龍村・中井侍での茶摘みの体験

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未来地図では、子どもたちの様々な体験活動を地域で行うシン・ブカツを始めて
います。情報は公式 L I N E から発信しています

未来描く道標10(令和 5 年 4 月 27日)W B C優勝の陰に室伏長官あり

未来地図代表 代田昭久

先月の3月27日、東京で行われた、室伏広治 スポーツ庁長官、三屋裕子 日本
バスケットボール協会会長、永田恭介 筑波大学長が、部活動について話し合
うシンポジウムのコーディネーターを務めました。直前の打ち合わせでは、ワ
ールド・ベースボール・クラシック(W B C)で日本が優勝した直後とあっ
て、その話題で盛り上がりました。
三屋さんが室伏さんに「吉田選手の活躍、本当に良かったですね」と、言葉
をかけていて、吉田選手とどんな関係かを知らなかった私は、室伏さんに尋ね
ました。
「2017年に、びっしりと書かれた直筆の手紙を吉田選手からもらい、そ
れ以来、指導を続けています」と室伏さん。
吉田正尚(よしだまさたか)選手といえば、オリックス・バッファローズで
2年連続の首位打者を獲得し、侍ジャパンでも4番としてチームを牽引。今年
から大リーグの名門、レッドソックスの一員です。ただ、プロ入りをしてから
腰痛に苦しみ、手術も経験し、正しいトレーニング方法を模索している中で、
当時面識のなかった室伏さんに助けを求めたそうです。
「どんな指導をしたのですか」と質問したところ、室伏さんは、筋肉をつけ
るだけでは打球を遠くに飛ばすことはできないこと、室伏さんご自身が編み出
した『紙風船』を使った筋力トレーニングのこと、そして、吉田選手がすごい
向上心を持っていることを、話してくださいました。
そして、シンポジウムの中でも強調されていましたが、「スポーツの指導者
は、その競技特有の専門的な指導よりも先に、まずは人間としての身体機能を
向上させる指導が重要である」。だから、室伏さんは、金メダルを獲得したハ
ンマー投げの指導に止まらず、野球など全ての競技を指導ができる。そして、
スポーツに止まらず、成果を出していくには、まずは土台・基礎を育むことが
大切なのだと納得しました。
現在、大リーグが開幕して約一ヶ月、吉田選手は華々しい活躍を続けていま
す。正しい知識や技術を獲得したいという人並み以上の向上心を持った選手と
その意欲に応えられるだけの研究を積んだ指導者。その出会いがこうした奇跡
を生んでいるのだと感じています。

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【未来地図では、サッカー松本山雅 神田文之社長をお招きして「Gナビ講座」を開催しま
す】※参加ご希望の方は、QRコードからお申込みください。
■日時:4月30日(日)13:30~15:00
■場所:丘の上結いスクエア1F・喫茶山雅
■内容:Jリーグで伸びる選手、伸びない選手〜大事なのはジュニア期の過ごし方〜

未来描く道標9(令和 5 年 3 月 23日)人はなぜ宇宙を目指すのか?

未来地図代表 代田昭久

『「ヒト」は、呼吸を2分も止めたら苦しくなる。水を2日も飲まないと干からびる。食
事を2週間とらないと死に近づく。それでは、“知”を取り入れることを止めたらどうな
るだろう? それが世代を越えると「ヒト」でなくなることが始まるだろう。“知”は、
自分のフロンティア(最前線)を押し広げることによって獲得できる。「宇宙を見て、考
えて、そして行動する」ことは、私の好きな答えだ』
これは、1月にJAXA(宇宙航空研究開発機構)社友の柳川孝二先生を招いて行った「未
来地図」の講座での話です。宇宙への憧れや宇宙を知りたいという欲望は、古代の人々が
天空を見上げていた二千年の昔から存在し、この好奇心こそが「ヒト」を創り上げてきた
のだと言われています。
2月には、JAXAが諏訪理さんと米田あゆさんの2名を宇宙飛行士候補として選出したこ
とを発表しました。月面探査プログラム「アルテミス計画」を見据え、日本人宇宙飛行士
が月面に降り立つ可能性が高まっています。
ただ、3月には開発を始めてから約10年、開発費約2,000億円を投じた国産ロケ
ットH3の発射が失敗に終わりました。未知への挑戦は、常に失敗と隣り合わせです。宇
宙飛行士の野口聡一さんは、「はいあがろう。『負けたことがある』というのが、いつか大
きな財産になる」と、漫画の名言を引用して関係者を鼓舞しています。たとえ失敗しても
挑戦を継続していく勇気が、人類の未来を作り上げていくのでしょう。
さて、WBCでも大活躍した大谷翔平選手の小さな頃の夢は、実は「宇宙飛行士」だそう
です。誰も成し遂げたことのない領域に挑戦するという意味においては、大谷選手にとっ
て「宇宙飛行士」と「野球の二刀流」は、似たものなのかもしれません。
卒業式シーズンも終わり、子どもたちは4月からの新しいステージに胸を躍らせている
ことでしょう。自分の限界を自分で決めてしまうのではなく、好奇心を大切にして、自分
のフロンティア(可能性)を押し広げていって欲しいと思います。

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未来地図では、あなたの好きを見つけよう「春のスキスキ祭り」(無料)を開催します。
■日時/3月26日(日) 12:30〜16:30
■場所/丘の上結いスクエア 2F 多目的ホール
★Gナビ講座(13:30〜15:00)講師/※小沢あきこさん(演歌歌手)※峯幸代さん(金メ
ダリスト)※オンライン参加/後藤正幸さん(前信濃教育会会長)。参加方法/Q Rコー
ドからお申し込みください。

未来描く道標8(令和 5 年 2 月 23日)「人生の充実感」を求める方程式

未来地図代表 代田昭久

「人生の充実感=( )× 能力」。みなさんは( )の中にどんな言葉を入れます
か。今月の未来地図・Gナビ(グローバルナビゲーター)講座で、みなさんと一緒に考え
てみたいと思います。
日本を代表する経営者であった稲盛和夫氏が、「人生と仕事の結果」=「考え方」×
「熱意」×「能力」という方程式を提唱しています。「能力」とは、知性や身体的強さな
どで、どちらかというと先天的なもの。「熱意」とは、こうありたいという強い想いで、
後天的に決まるもの。この能力と熱意を掛けることで、能力を鼻にかけて努力を怠った人
より、能力がないと思って誰よりも努力した人の方がすばらしい結果を残すことができま
す。これに「考え方」が掛かります。考え方とは生きる姿勢や物事の捉え方のことで、例
えば、人をだましてお金を稼ごうというのはマイナスの考え方であり、熱意と能力があっ
ても、考え方次第で人生や仕事の結果は180度変わってしまいます。能力と熱意、そして
人としての正しい考え方をもつことが大切だ、という稲盛氏の経営哲学です。
この方程式が興味深いのは、稲森氏の長年の経験から創られたものではなく、何の才能
もない自分たちがどのようにしたら成功できるのかということを徹底的に考え、社員に説
明するために、30代の頃に生み出したものだそうです。
さて、冒頭の「人生の充実感=( )× 能力」は、今月の講師をつとめる鈴木隆宏
氏の経営哲学です。鈴木氏は30代でありながら、東南アジアを中心にグローバルな投資事
業を行い、現在270億を運用する新進気鋭の経営者です。鈴木氏は稲盛氏の影響を受け
て、人生の幸せや充実を感じて働きたいと思い、自分なりの方程式を考え実践していると
言います。
子どもたちは、いずれ大人になり、何らかの方法で生活費を稼ぎ出さなくてはなりませ
ん。私たち大人の役割は、社会にはどういう仕事や職業の選択肢があって、どうしたら充
実感を得ることができるか、子どもたちに希望を示していくことです。講座では、オンラ
インでインドネシアと結び、人生の充実感を得る方法について学びます。

■新興国を中心にグローバルな投資事業を行う鈴木隆宏氏

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「未来地図Gナビ講座」(無料)
■日時/2月26日(日) 14:00〜15:30
■場所/丘の上結いスクエア 2F 多目的ホール ★オンラインでも参加できます。
■参加方法/Q Rコードからお申し込みください。

未来描く道標7(令和 5 年 1 月 26日)「フォロワーシップ」

未来地図代表 代田昭久

宇宙飛行士に求められる力、すなわち宇宙飛行士の選抜試験の中身は、とても興味深い
ものです。宇宙という極限状態で集団として成功していくためには、どんな資質や能力が
必要なのか、NASA(アメリカ航空宇宙局)が行うその評価や育成の方法は、企業の採用活
動にとどまらず、教育や人材育成などに広く影響しています。
例えば「フォロワーシップ」という能力。フォロワーシップとはリーダーシップの逆の
意味で、リーダーを補佐したり支えたりすることです。この言葉は、JAXA(宇宙航空研究
開発機構)のホームページに頻繁に出てきますし、NASAの訓練に参加した宇宙飛行士の多
くがフォロワーシップを学んだことに言及しています。
集団の中ではリーダーシップが大切なことはいうまでもありません。ただ、強いリーダ
ーの存在だけでは組織は機能せず、そのリーダーを支えるフォローワーがいて、初めて大
きな成果をあげることができます。そして、フォローワーは黙って支えているのではく、
リーダーのビジョンを具現化したり、健全な批判をしたりする力が求められます。宇宙空
間のように過酷で何が起こるかわからない状況下においては、全員がリーダーでありまた
フォロワーでもあり、ある時はチームやメンバーを引っ張り、ある時は仲間を支える立場
に回れることが重視されているのです。実は、こうした考え方はスポーツ界にも取り入れ
られていて、選手全員でどうすれば勝てるのかを議論し、キャプテンや控え選手それぞれ
が、いま果たせる自分の役割を認識し、自発的に取り組むチームには敵わない時代になっ
てきました。
1992年に毛利衛さんが日本人として初めてNASAのスペースシャトルに搭乗してから約30
年。この間、日本人飛行士の資質や能力は格段に向上し、今では世界トップクラスだそう
です。現在、国際宇宙ステーション (ISS) には、5回目の宇宙飛行となる若田光一さん
が滞在しています。
その若田さんをはじめとした日本人宇宙飛行士の採用や訓練、搭乗調整を担当し、JAXA
宇宙飛行士室長などを歴任した柳川孝二氏が飯田にやってきます。宇宙人はいるのかとい
ったテーマから、私たちが住む太陽系での様々な活動を見ていきます。最後に、宇宙を視
座にして将来どんなことができるか、参加者のみなさんと一緒に考えてみます。

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「未来地図Gナビ講座」(無料)
■日時/1月29日(日) 14:00〜15:30
■場所/丘の上結いスクエア 2F 多目的ホール ★オンラインでも参加できます。
■参加方法/Q Rコードからお申し込みください

未来を描く道標べ6(令和 5 年 1 月 17 日)「小学生全国大会の廃止」

未来地図代表 代田昭久

全日本柔道連盟は、昨年、小学生の全国大会を廃止するという決断をしまし
た。その狙いや現状について、金メダリストであり前日本柔道男子監督の井上
康生さんにお話しをお伺いしました。
「小学生のチャンピオンは、オリンピックのメダリストになれない」。小学
生の時に全国大会で優勝した後、オリンピックでメダルを獲得できた選手はほ
とんどおらず、男子では井上康生さんと他一名。こうした実態は、ジュニア期
の強度なトレーニングが、けがや燃え尽きの要因となり、また一つの競技だけ
ではなく様々な競技を経験したほうがよいというスポーツ理論を裏付けるもの
であったそうです。
そして、「柔道は勝つための武道ではなく、生きる力を育むためのものであ
り、オリンピック選手を育てることだけが目的ではない」「体育の授業でも取
り入れられている柔道が、勝ち負け以外にも様々な価値や魅力があることをよ
り多くの子どもたちにも感じて欲しい」と言います。そして、柔道の父、嘉納
治五郎先生の教えである「精力善用 自他共栄」(鍛えた心と体を善いことに
使う。お互いに信頼し、助け合うことができれば、自分も世の中の人も共に栄
えることができる)の精神に立ち戻る必要性を静かな口調で話していただきま
した。
スポーツにおいて勝利を追求し、そのために努力することは大事なことで
す。ただ、「勝利がすべて」なってしまい、行き過ぎた指導が問題になってい
るのも事実です。柔道を、より善く生きるためや平和な社会に役立てようとし
た嘉納治五郎先生の教えのもとに、小学生全国大会の廃止へと舵をきった柔道
連盟の決断に私も共感します。理解が浸透しているわけではないので、まだま
だ反対意見もあって大変だという状況はお聞きしましたが、正しいルールや技
を学ぶイベントを新たに立ち上げたりして、今後も子どもたちのための改革を
進めていくそうです。こうした考え方や実践が、柔道以外のスポーツ、さらに
は文化活動にも広がっていくことを願います。

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詳しい内容は【イマチャレ・オンラインプログラム】で配信します。
〈日時〉1月26日(木)19:30-21:00
〈お申込みアドレス〉https://imachalle-online012023.peatix.com

■井上康生氏と (東海大学湘南キャンパスにて)

未来を描く道標べ5(令和 4 年 12 月 15 日)「メシが食える大人に育てる」

未来地図代表 代田昭久

「教育に携わるのだったら、高濱先生の話は絶対に聴いておいた方がいいよ」。友人からそ
う言われて、その講演会に行くことにしました。私が民間人校長として駆け出した 15 年ほ
ど前の話です。
会場に着くと、誘導員の方が「席を空けずにどんどん詰めてください」と声をかけていて、
1000 人を超える会場があっという間にいっぱいになりました。講演は私が今まで聴いいて
きた教育論とは別次元のものでした。「メシが食える大人」、すなわち「自立・自活できて
いる大人」に育むためには、「まずはお母さんが幸せであることが一番重要である」と解く
のです。そして、「あれをやるな、これは危ないなどと言ってしまう気高い母心が、子育て
の落とし穴」とも指摘。様々な角度から、母親、そして父親に求められることを、笑いを交
えながら暖かい語り口で紹介します。暖かなエールに涙を拭うお母さんもいました。私も、
講演会を薦めてくれた友人に感謝しつつ、「保護者を支え、保護者の応援団となる」という
学校の道標べを手に入れる機会になりました。
さて、高濱正伸先生が経営する「花まる学習会(グループ)」は、設立当初20名ほどだっ
た会員数が、23年目で2万人を超す、圧倒的な人気を誇る学習塾です。偏差値を重視しな
いユニークな教育手法は、メディアなどでも度々紹介されています。その高濱先生と一緒に、
花まる学習会のカリキュラムを公立学校の授業に取り入れるというプロジェクトを佐賀県
武雄市で行いました。私が校長を務める武内小学校をモデル校にして、高濱先生を交えて教
職員と議論と実践を繰り返しました。子どもたちに足りなかった、自分の頭で考える力、自
分の意見を堂々と発表できる力が、確実に育まれていることを実感しました。
そんな高濱先生が飯田にやって来ます。「教育、子育てに携わるのだったら、高濱先生の話
は絶対に聴いておいた方がいいですよ」

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未来地図開港記念イベント第3弾 12月18日(日)午後2時~、丘の上結スクエア3階。予約不
要、参加料無料(連絡先 mail@miraichizu.jp)
■ QRコード/情報はこちらから(未来地図公式LINE)

■ 花まる学習会代表 高濱正伸氏

未来描く道標べ4(令和 4 年 11 月 14 日)「ふるさとへの特別な感情」

未来地図代表 代田昭久

「東京で中学生に教えている時とは全く違う、ある特別な感情が湧き、“勇気をもってでき
る限り遠くへ旅をしてごらん”と心から応援したい気持ちになりました」
さる11月7日、市内中学校の2年生に、オンライン授業をした後の豊田朋子さんの感想で
す。豊田さんは、飯田市出身(昭和54年度鼎中学校卒業生)で、ニューヨーク在住後、現在
は東京で英語スクール 「Global kids 英語会」を設立し、子どもたちの夢の実現のために
活動をされています。授業では、豊田さんが、なぜ海外に渡ろうと思ったのか、そこでどん
な挫折や成功があり、今はどんな仕事に辿りついたのかを話していただきました。
実は、私も7年前に飯田市に戻ってきたとき、豊田さんと同じような気持ちになったこと
を思い出しました。東京や佐賀で校長をしている時とは違う、まるで昔の自分を見ているよ
うな、特別な感情。“都の塵も通い来ぬ”この地にこそ誇りを持ち、世界と伍していける力
を育んでいきたい、そう決意したのを覚えています。そして、飯田に軸足を置いて未来地図
を立ち上げようと思ったのも、そんな想いの延長でした。
授業が終わったあと、豊田さんは、生徒のみなさんにこんなメッセージを贈っています。
「未来への旅路には、幾多の困難が待ち受けているでしょう。しかし、常に学び続ける気持
ちがあれば、きっとその困難を乗り越えられるでしょう。特に英語力は、あなたの人生の旅
の助けとなり、その質を高めてくれるでしょう。そして、悔いのない幸せな人生を送る秘訣
は、チャンスや良い情報を得られそうな場所には足を運ぶことです。私は、尊敬するジョン
レノンが“ニューヨークは世界一の場所だ”と言っていたので、実際に行ってみて、今まで
の縛りや思い込みから解放され、新たな自分を見いだし、人生を変えることができました。
みなさんも、何かに興味が沸いたら、迷わず、積極的に行動してみてください。」
未来地図では、そんな豊田さんをお招きしてイベントを開催します。今英語が好きな人は、
より好きになり、嫌いな人は好きになるチャンスです。興味が沸いたら、迷わず、あなたの
一歩を踏み出してみてください。
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未来地図開港記念イベント第2弾 11月27日(日)午後2時〜、丘の上結スクエア2階。予約
不要、参加料無料(連絡先 mail@miraichizu.jp)

Global kids 英語会 代表
株式会社 ダイバース・キッズ代表取締役 豊田朋子氏

未来描く道標べ3(令和4年 10 月 14 日)「シン・ブカツ」

未来地図代表 代田昭久

「令和7年度末までに、中学校の休日の部活動を地域に移行する」ことが、今年6月にスポ
ーツ庁、続いて文化庁より提言されました。さらに、それ以降は、平日の部活動も徐々に地
域へと移行していく見通しです。学校教育の歴史的な転換点とも言えます。ただ、この部活
動の地域移行が、全国的にみると、学校の教員の働き方改革という文脈で語られることが多
く、実現すべき目的を見失い、地域移行という手段が「自己目的化」しつつあるのが現状で
す。それでは、実現すべき最上位の目的とは、いった何でしょう。もちろん、将来にわたる
子どもたちの幸せのため、です。
過日、金メダリストでスポーツ庁長官である室伏広治氏と意見交換をする機会がありまし
た。「通常、男性だと20代後半に競技のピークを迎えるのに、10代でスポーツを引退するの
が当たり前の日本の環境は問題」とし、「勝つことは小さな目標。勝敗に苦しんでいるうち
はスポーツの本当の醍醐味は味わえない」。“君達の競争相手は無限の蒼空、確固不動の大
地”と恩師から贈られた言葉を大切にしているエピソードをお話いただきました。さらに、
「中学高校と指導者に管理されていると、結果的に指示待ち人間になってしまう。子どもた
ちが自発的にスポーツの本質を味わえるようにしたい」と、熱いメッセージを発信されてい
ました。
さて、飯田市の現状ですが、スポーツ協会と教育委員会が中心となって、令和元年度から
「全市型競技別スポーツスクール」を開講し、今年度はアーチェリーなどの新種目を含む1
7種目のスポーツを、学校外で体験できる環境が整いつつあります。また、冬季には15の
文化系講座も開かれ、他の地域では真似のできない、社会教育が盛んなこの地域ならでは「地
育力」が発揮されています。
未来地図でも、中学生だけでなく、小学生から高校生まで、地域や学校、学年を超えて「好
きなことをとことんやってみたい」と願う子どもたちが集う「シン・ブカツ」を始めます。
まずは、【赤門英語クラブ】【クワガタ人生部】【愛と真実の映画クラブ】【ミタス・フッ
トサルクラブ】【わくわくキッチンクラブ】の5つから。「こんなブカツをつくりたい」と
いう子どもたちの自発的な要望があれば、全力でサポートしていくつもりです。

■シン・ブカツの無料体験、仮申し込みはこちらから

未来描く道しるべ2(令和4年 10 月 13 日)なぜ学ぶのか。

未来地図代表 代田昭久

人が何かを学ぶ時には、様々な動機があります。テストでクラスのトップに
なりたいとか、偏差値の高い学校に合格したいとか。こういう動機を「競争動
機」と言います。大切な動機ではあるのですが、その競争に勝った瞬間から薄
らいでいきます。
ところが、スゴイ人との出会いによって、あんな人のようになりたいから始
まる学びは違います。これは「感染動機」と呼ばれるもので、内側からわき上
がる力によって、憧れの気持ちがある限りその意欲が持続します。
私は、杉並区立和田中学校校長の時に、校長自らが教壇に立つ「よのなか科」
という授業をしていました。月に1、2回、社会で活躍する大人をゲストに招
いて、様々な社会問題をディスカッションするという授業です。そんな時、「勉
強の“やり方を教える”という若くて面白い起業家がいるので、よのなか科に
呼んでみたら」という話をいただきました。受験勉強に悩んでいる生徒も多か
ったので、早速来ていただきましたが、想像以上に生徒の反応がいい。なぜだ
ろうと思って授業後の感想文を読んでみると、教えてもらった勉強のやり方以
上に、自ら起業をして自分の理想に向かって生きる姿を見て感銘し、やる気の
スイッチが入っているのだと気づきました。
そのゲストは清水章弘さんという方で、あれから10余年の時がたち、会社
をどんどんと大きくされ、今では、テレビ番組のコメンテイターも務めていま
す。これから先、日本の教育に影響を与えるような存在になるだろうと思って
います。
未来地図では、スゴイ人、キラキラと輝く大人を毎月1名、年間で12名程
度お招きし、子どもたちの学ぶ意欲に火をつけたいと考えています。開港記念、
最初の講師は、その清水さんにお願いしました。タイトルは「驚くほど勉強が
好きなる方法」。その方法を学ぶとともに、ぜひ、清水さんの生き様を、ぜひ感
じてみてください。
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未来地図開港記念イベントが10月29日、ムトスぷらざ2階で開かれます。
対象は、小中学生と高校生、保護者ほか教育に関心ある人を対象とし、参加料
は無料。連絡先は mail@miraichizu.jp

■教育アドバイザー / プラスティー教育研究所 代表 清水章弘氏