未来地図代表 代田昭久
宇宙飛行士に求められる力、すなわち宇宙飛行士の選抜試験の中身は、とても興味深い
ものです。宇宙という極限状態で集団として成功していくためには、どんな資質や能力が
必要なのか、NASA(アメリカ航空宇宙局)が行うその評価や育成の方法は、企業の採用活
動にとどまらず、教育や人材育成などに広く影響しています。
例えば「フォロワーシップ」という能力。フォロワーシップとはリーダーシップの逆の
意味で、リーダーを補佐したり支えたりすることです。この言葉は、JAXA(宇宙航空研究
開発機構)のホームページに頻繁に出てきますし、NASAの訓練に参加した宇宙飛行士の多
くがフォロワーシップを学んだことに言及しています。
集団の中ではリーダーシップが大切なことはいうまでもありません。ただ、強いリーダ
ーの存在だけでは組織は機能せず、そのリーダーを支えるフォローワーがいて、初めて大
きな成果をあげることができます。そして、フォローワーは黙って支えているのではく、
リーダーのビジョンを具現化したり、健全な批判をしたりする力が求められます。宇宙空
間のように過酷で何が起こるかわからない状況下においては、全員がリーダーでありまた
フォロワーでもあり、ある時はチームやメンバーを引っ張り、ある時は仲間を支える立場
に回れることが重視されているのです。実は、こうした考え方はスポーツ界にも取り入れ
られていて、選手全員でどうすれば勝てるのかを議論し、キャプテンや控え選手それぞれ
が、いま果たせる自分の役割を認識し、自発的に取り組むチームには敵わない時代になっ
てきました。
1992年に毛利衛さんが日本人として初めてNASAのスペースシャトルに搭乗してから約30
年。この間、日本人飛行士の資質や能力は格段に向上し、今では世界トップクラスだそう
です。現在、国際宇宙ステーション (ISS) には、5回目の宇宙飛行となる若田光一さん
が滞在しています。
その若田さんをはじめとした日本人宇宙飛行士の採用や訓練、搭乗調整を担当し、JAXA
宇宙飛行士室長などを歴任した柳川孝二氏が飯田にやってきます。宇宙人はいるのかとい
ったテーマから、私たちが住む太陽系での様々な活動を見ていきます。最後に、宇宙を視
座にして将来どんなことができるか、参加者のみなさんと一緒に考えてみます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「未来地図Gナビ講座」(無料)
■日時/1月29日(日) 14:00〜15:30
■場所/丘の上結いスクエア 2F 多目的ホール ★オンラインでも参加できます。
■参加方法/Q Rコードからお申し込みください