未来描く道標7(令和 5 年 1 月 26日)「フォロワーシップ」

未来地図代表 代田昭久

宇宙飛行士に求められる力、すなわち宇宙飛行士の選抜試験の中身は、とても興味深い
ものです。宇宙という極限状態で集団として成功していくためには、どんな資質や能力が
必要なのか、NASA(アメリカ航空宇宙局)が行うその評価や育成の方法は、企業の採用活
動にとどまらず、教育や人材育成などに広く影響しています。
例えば「フォロワーシップ」という能力。フォロワーシップとはリーダーシップの逆の
意味で、リーダーを補佐したり支えたりすることです。この言葉は、JAXA(宇宙航空研究
開発機構)のホームページに頻繁に出てきますし、NASAの訓練に参加した宇宙飛行士の多
くがフォロワーシップを学んだことに言及しています。
集団の中ではリーダーシップが大切なことはいうまでもありません。ただ、強いリーダ
ーの存在だけでは組織は機能せず、そのリーダーを支えるフォローワーがいて、初めて大
きな成果をあげることができます。そして、フォローワーは黙って支えているのではく、
リーダーのビジョンを具現化したり、健全な批判をしたりする力が求められます。宇宙空
間のように過酷で何が起こるかわからない状況下においては、全員がリーダーでありまた
フォロワーでもあり、ある時はチームやメンバーを引っ張り、ある時は仲間を支える立場
に回れることが重視されているのです。実は、こうした考え方はスポーツ界にも取り入れ
られていて、選手全員でどうすれば勝てるのかを議論し、キャプテンや控え選手それぞれ
が、いま果たせる自分の役割を認識し、自発的に取り組むチームには敵わない時代になっ
てきました。
1992年に毛利衛さんが日本人として初めてNASAのスペースシャトルに搭乗してから約30
年。この間、日本人飛行士の資質や能力は格段に向上し、今では世界トップクラスだそう
です。現在、国際宇宙ステーション (ISS) には、5回目の宇宙飛行となる若田光一さん
が滞在しています。
その若田さんをはじめとした日本人宇宙飛行士の採用や訓練、搭乗調整を担当し、JAXA
宇宙飛行士室長などを歴任した柳川孝二氏が飯田にやってきます。宇宙人はいるのかとい
ったテーマから、私たちが住む太陽系での様々な活動を見ていきます。最後に、宇宙を視
座にして将来どんなことができるか、参加者のみなさんと一緒に考えてみます。

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「未来地図Gナビ講座」(無料)
■日時/1月29日(日) 14:00〜15:30
■場所/丘の上結いスクエア 2F 多目的ホール ★オンラインでも参加できます。
■参加方法/Q Rコードからお申し込みください