年金の仕組みはネズミ講と同じ?年金制度と問題点も併せて解説

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年金の仕組みはネズミ講と同じ?年金制度と問題点も併せて解説

年金制度と言えば、老後や予期せぬ出来事で障害者となったときにお金を受け取るための国の大切な制度です。しかし、昨今、年金の仕組みはネズミ講と同じという指摘が話題になっています。年金制度とネズミ講はどこが同じなのか、また、年金制度の仕組みと問題点についてまとめました。

「ねずみ講と年金の違い」がTwitterで話題に

年金制度の仕組みとネズミ講の仕組みを比較したツイートが話題になっています。ツイートをみると、確かに年金とネズミ講は共通点が多いことに気づかされます。それどころか、ネズミ講は加入するかどうか本人が決められるのに対し、年金は強制的に加入させられるため、「ネズミ講のほうが良心的なのでは?」という気持ちにすらなってしまいます。

ネット上の反応

年金とネズミ講を比較したツイートは、わずか2週間ほどで4,000件を超えるリツイートを集めただけでなく、転載したツイートには2週間で約50,000件ものリツイートが集まりました。
「年金のほうがひどい」という声や「ネズミ講は解約できるけど年金は解約できない」という声、「年金を払わないで済む方法を探したい」という声もあり、年金制度への不信感を表明している人も大勢見られました。

「そもそも年金保障とかの保障ってそういうもの」といった諦めの声もある一方で、「障害年金や遺族年金もあるので、単純には比較できない」との冷静な声もあります。
とはいえ、ネズミ講と言えば悪徳な仕組みの代表格のようなものですから、ネズミ講と年金に類似点があるだけでも嬉しいことではありません。

ネズミ講の仕組み

ネズミ講の仕組み

ネズミ講では、入会者が上位会員に金品を支払う仕組みになっています。例えば通常なら8,000円の化粧品が、入会すると5,000円で購入できるとしましょう。ただし、入会者は常に会を紹介してくれた人(親会員)に商品の1割の上納金を支払わなくてはならないと決まっていたとします。

上納金を支払っても通常よりも2,500円も安く買えるのですから、お得だと感じるかもしれません。しかも、自分も誰かに紹介すれば、紹介した人が商品を購入するたびに1割の上納金をもらえるため、積極的に勧誘しようと考える人もいるでしょう。

しかし、ネズミ講は永遠に利益を生み出すシステムではありません。親会員が複数の子会員を持ち、子会員がそれぞれ複数の孫会員を持つなら、何代目かには日本の人口はおろか、世界人口よりも多くの会員を持つことになります。すぐに「周りが全員会員で、新規に勧誘できない」という状態になり、上納金を得られなくなってしまうのです。

日本ではネズミ講は違法行為

日本では、ネズミ講を使った勧誘や販売を禁止しています。ネズミ講は法律では「無限連鎖講」と呼ばれ、無限連鎖講の防止に関する法律で禁止されています。なお、ねずみは一度の出産で複数の子を産むだけでなく、成長が速くすぐに子を産めるようになることから、親会員から子会員、子会員から孫会員と急激なスピードで会員を増やしていく仕組みを「ネズミ講」と呼んでいます。

年金制度について

年金制度について

一方、年金制度は、誰かを勧誘しなくても利益(=老齢年金や障害年金など)を得られる仕組みです。しかし、勧誘して子会員を募る必要はありませんが、「現時点で納められている年金保険料が年金受給者に支払われる」仕組みですから、子供世代が年金制度に加入しないと高齢になっても年金を受け取れません。

そのため、子どもの世代に年金保険料を支払うように伝える必要がありますし、さらに進んで考えれば、子どもの世代を生み出すことも必要です。ネズミ講が永遠に機能することも難しいですが、年金制度が永遠に機能することも容易ではないと言えるでしょう。

年金制度の始まり

年金制度は、最初は国民皆に適用されてはいませんでした。日本における最初の年金は1939年に施行された「船員保険法」による年金で、船員に対してだけ適用されました。その後、船員以外の労働者に適用される「厚生年金保険法」が施行され、すべての労働者は年金制度に加入するようになりました。

公的年金が現在のように国民全員が加入する制度になったのは、1961年のことです。当初の年金受給開始年齢は満60歳で、原則として25年以上年金保険料を納めた人だけ(年金制度開始時の年齢によっては25年未満でも受給できた)が受け取れる仕組みでした。その後、年金受給のための最低加入年数が10年に短縮されたり、学生は年金納付を猶予される特例が実施されたりと、時代に合わせた細かな調整が実施されています。

年金制度の目的

年金制度の目的は、働けなくなったときの生活費を保障することです。高齢になったときや病気やけがで就労できなくなったとき、公的年金に加入して受給条件を満たしている方は年金を受け取れます。

かつては大家族制で、高齢者や障害者が一人で暮らすケースはそう多くはありませんでした。しかし、核家族化や非婚化が進むにつれ、高齢者や障害者が一人暮らしになる可能性が増えたため、公的年金制度を整えて、すべての国民が生活を維持できることを目指したのです。

年金は払い損になるか

年金は払い損になるか

銀行にお金を預けるなら、預けた元金に加えて利息も受け取れます。銀行に預けずに自宅にお金を保管した場合でも、盗難に遭わない限り、お金が減ることはありません。年金は何十年もの期間をかけてお金を預けるわけですから、年金保険料として支払った金額は当然のこととして、それ以上の金額を受け取りたいと思うのは当然です。実際に私たちが支払った年金保険料は年金積立金管理運用独立行政法人が運用し、元金以上に堅実に増やしています。

しかし、年金受給開始年齢が60歳から65歳に先送りされ、近い将来、68歳に先送りされるようになると、納めた年金保険料よりも受給できる年金額のほうが少なくなる可能性があります。また、高齢化社会で年金受給者が多いこと、そして、平均寿命が延びていることにより、今後は年金受給開始年齢が先送りされるだけでなく、年金受給額も減ると予想されます。納めた額より受給される額が少なくなる時代も、もう目の前までやってきているのです。
 

年金とネズミ講には近い部分もある

年金とネズミ講は確かに仕組みが似ています。しかも、年金加入は国民の義務で脱退できない分、ネズミ講よりも悪質だと考える人がいるのも当然です。しかし、年金で生活が支えられている人が大勢いるのも事実です。自分一人の損得だけでなく、国民の幸せという広い視野で年金制度を見つめていきましょう。

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