どんな少子化対策が日本で行われている?人口増加への道

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どんな少子化対策が日本で行われている?人口増加への道

2011年以降、日本の人口は減少しています。人口減少が続くと高齢化社会が益々進み、労働力人口の納税額に頼っている年金制度や健康保険制度が破綻する恐れがあります。日本の少子化対策と原因、人口減少を克服したフランスの例を解説します。

日本の少子化対策

日本で行われている少子化対策

子どもが減るということは、将来的には生産年齢人口が減るということです。生産年齢人口が減るということは、日本の生産力が衰え、国力が衰えることと無縁ではありません。

女性1人が生涯のうちに産む子どもの数の理論値を「合計特殊出生率」と言いますが、1989年、合計特殊出生率が1.57を記録し、「1.57ショック」という言葉と共に大きな社会問題になりました。合計特殊出生率の数字が2.07以下の状態が続くと、人口を維持することができないと言われています。
そのため、2003年9月には「少子化社会対策基本法」が施行され、少子化対策が本格的に始まることになりました。

これまでの国の取り組み

1.57ショックを受け、1994年、文部省と厚生省、労働省、建設省の4省が協力して子どもを産みやすい環境を整える「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について(エンゼルプラン)」が策定され、翌1995年から実施されました。また、2003年には「次世代育成支援対策推進法」と「少子化社会対策基本法」も実施されました。

しかし、合計特殊出生率の低下は歯止めがかからず、2005年には過去最低となる1.26を記録しました。そのため、政府は少子化対策を根本的に見直すことが必要と判断し、2006年、「新しい少子化対策について」を施行しています。「新しい少子化対策について」には、家族や地域のきずなの再生、妊娠から高校・大学と子どもの成長に合わせた子育て支援策が盛り込まれています。

子育て支援について関心を持つ人には、以下の記事もおすすめです。ぜひご覧ください。
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日本の少子化の現状

少子化が進む日本の現状

日本の合計特殊出生率は、2005年に過去最低となる1.26を記録しましたが、その後も劇的に増えているわけではありません。微増はしているものの2016年時点でも1.44と、近い将来、大きく人口を減少させる土壌が育っています。

実際に、1980年時点では総人口に占める0~14歳の人口は23.5%でしたが、2016年時点では12.4%と約半分に低下しています。一方、65歳以上の人口の割合は9.1%から27.3%と3倍に増加し、少子高齢化が進んでいることが分かります。

少子化の原因

少子化の原因

日本において少子化が進んでいるのは、子どもを産むという選択をしなくなったからに他なりません。国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、子どもを産まない理由として最も多い回答は「教育費にお金がかかりすぎるから」(56.3%、複数回答)でした。次いで、「高年齢で産むのはいやだ」(39.8%、同)、「欲しいけれども生まれない」(23.5%、同)、「育児の心理的・肉体的負担が大きい」(17.6%、同)の各理由が挙げられました。

仕事と出産・育児の両立が困難

教育費にはお金がかかるため、子どもを育てるための収入が必要です。しかし、仕事も育児も家事もすべてこなすとなると、身体的負担が大きく、子育てを諦めざるを得ない家庭も多いでしょう。また、子育ては身体的負担と金銭的負担だけがかかるものではありません。子どもの発育や学習に悩んだり、子どもを取り巻く人間関係に煩わされたりといった精神的な負担もあります。

保育所などが不足している

子どもを育てるために共働きをする世帯は多いです。子どもが幼いときは24時間体制で子どもの世話が必要となるため、仕事をしている間は保育所に預けなくてはなりません。

しかしながら、居住地によっては保育所が不足し、働きたくても子どもを預ける場所がないケースも多く、待機児童が問題になっています。認可保育園に子どもを預けられず、保育料が高額な無認可保育園に子どもを預ける家庭も少なくありません。

晩婚化と未婚化

大学進学率が高まっていることもあり、子どもが20歳を超えても教育費がかかることが一般的です。そのため、高齢で子どもを産むと、子どもの教育費が必要な時期に親自身が老後を迎えている可能性もあり、体力的にも金銭的にも子どもをサポートすることが難しくなります。また、結婚しないという選択をする方も増えており、少子化に拍車をかけています。

少子化を克服したフランス

少子化を克服したフランス

フランスも、1990年代は合計特殊出生率が1.6台に低下したことがあります。しかし、2010年には2.0を超え、毎年小さな範囲で増減を繰り返してはいるものの2016年時点も1.92と高い数字を維持しています。

フランスが少子化を克服した理由として、フランス政府の少子化対策を挙げることができます。かつてフランスでは、少子化対策として家族手当などの経済的支援がメインでしたが、1990年代以降は保育の充実へと支援内容を変更し、子育て世帯にお金を渡すのではなくお金を稼げる環境を整備することに力を注いできました。

フランスでは婚外子が多い

フランスでは1972年に嫡出子と非嫡出子の区別がなくなり、子どもは生まれながらに等しい権利を保有することが法律で定められました。その後、結婚せずに子どもを持つカップルが増え、1990年代後半には婚外子の割合は約4割、2010年代後半には約6割と増えています。

また、結婚せずに子どもを産んだとしても、子どもの養育義務は両親に課せられます。子どもには「親を知る権利」と「親に養育される権利」が保証されているため、子どもが生きていけないことにはなりにくくなっています。

フランスの保育事情

フランスでは、どんな世帯であっても得られる保育支援は同じです。保育支援は親や世帯に与えられるものではなく、子どもに与えられるものですから、どの子どもも同等の保育支援を受けられます。

親が就労している場合は保育サービスを活用しますが、通常の保育所だけでなく小規模保育やベビーシッターなどの選択肢があります。また、保育園入園と親の就労は無関係ですので、働いていない親であっても保育園に子どもを預けて自分の時間を持てるようになっています。

少子化を解決するには

日本が少子化を克服するためには

家族という形が多様になっている現在、子育ての方法も多様に対応していかなくてはなりません。子育て支援を受けるための条件を世帯や親に定めるのではなく、フランスのように「子どもに必要な支援を子どもに与える」というスタンスが必要だと言えるでしょう。

また、教育費が高額であること、婚姻関係を結ばないと子育て支援を受けられないこと、そして、男親が子どもの養育を容易に放棄できることの3つを解決しないと、日本の少子化はますます進むと考えられます。どんな親にとっても子どもを育てやすい環境を作ることが、日本の少子化対策でもっとも必要なことと言えるでしょう。

日本人の意識改革が必要

企業で男性も育児休業制度がとれるところもあります。
しかし、育児休業を利用したところ、評価が下がりボーナスが下がった、部署移動にあったという声は少なくありません。
会社として育児休業制度があっても、働いている人や家族が不利益になるような状況を作っては意味がありません。

また社会生活で、ベビーカーでのバス乗車拒否、子供の声が騒音だと公園設立反対など、子供を持つ親に冷たい対応をする状況もあります。
子供は夫婦2人だけで育てるのではなく、社会全体で育てるもの。
子供は日本の未来の財産である、という日本人の意識改革が必要であり、課題として考えなくてはいけないことかもしれません。

 

少子化対策には女性が子どもを産み育てやすい環境が必要

少子化対策には、女性が子どもを安心して産み育てやすい環境が必要です。もちろん、子どもは母親だけから生まれるのではありませんから、男性、父親による養育を義務化することも先送りにしてはいけない問題です。日本がより住みやすい国になるためにも、さまざまな視点から少子化問題を考えていきましょう。

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