日本の選挙制度をわかりやすく説明

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日本の選挙制度をわかりやすく説明
「選挙」は種類によって制度が違うため、一見とても難しく見えます。

しかし、要点を押さえていれば、そこまで難しいものではありません。

今回は日本の選挙制度の要点を押さえ、わかりやすくまとめました。これから投票する時の、参考にしてください。

日本の選挙の種類

国会議事堂
日本では、国政選挙である「衆議院議員総選挙」「参議院議員通常選挙」「地方選挙(一般選挙)」「特別の選挙(国政/地方選挙)」の4つの選挙があります。

選挙に投票したり立候補したりできるのは、日本国籍を取得している人に限ります。

選挙に投票できる年齢は、すべての選挙で18歳以上となっています。

2016年の公職選挙法改正により、選挙権の年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に年齢条件が変更されたためです。

また、各選挙に応じて必ず備えていなければならない条件があります。

選挙権(選挙に投票できる権利)被選挙権(選挙に立候補できる権利)
衆議院議員総選挙
  • 18歳以上
  • 満25歳以上
参議院議員通常選挙
  • 18歳以上
  • 満30歳以上
地方選挙(都道府県議会)
  • 18歳以上
  • 引き続き3ヶ月以上、都道府県内の同一の市区町村に住所がある

【都道府県知事】

  • 満30歳以上

【都道府県議会議員】

  • 満25歳以上
  • その都道府県議会議員の選挙権を持っていること
地方選挙(市区町村議会)
  • 18歳以上であること
  • 引き続き3ヶ月以上、その市区町村に住所がある

【市区町村長】

  • 満25歳以上

【市区町村議会議員】

  • 満25歳以上
  • その市区町村議会議員の選挙権を持っていること
特別選挙
  • 18歳以上・行われる選挙に応じる
  • 行われる選挙の種類に応じる

選挙の参政権については、次の記事にて詳しくまとめています。
【関連記事】外国人の参政権はどうなってる?メリットとデメリットも紹介

【関連記事】18歳選挙権のメリット・デメリットとは?国・社会と投票者の両観点]

衆議院議員総選挙

衆議院議員選挙
衆議院総選挙は、衆議院議員の定数全員を選ぶために行われる選挙です。

衆議院議員選挙の定数は465人で、内訳としては小選挙区制で289人、比例代表制で176人が選挙により選出されます。

選挙が行われるタイミングは2つで、「4年の任期満了」と「衆議院の解散」になります。

小選挙区比例代表(小選挙区比例代表並立制)
任期4年(任期満了)
定員289人176人
選挙区都道府県ごとによって定員が変わる(最小2人~最大25人)全都道府県が11の選挙区に分けられ、それぞれ定員が決まっている(最小6人~28人)
投票用紙に書く内容候補者の名前政党の名前

衆議院議員選挙の小選挙区制とは

小選挙区制とは、各都道府県のいくつかある選挙区ごとに、立候補した候補者の中から1番得票数の多い人が当選する制度です。

投票用紙には、立候補者の名前を書きます。

1994年の公職選挙法改正より小選挙区制が始まり、第41回総選挙から適用されています。

選挙区の区割りは、法律に明記はされていませんが、国勢調査で調べた人口を基に、都度、小選挙区を見直し、調整が行われています。

最近では、2017年に「一票の格差を是正する」として、小選挙区の調整が行われました。

各都道府県ごとの小選挙区の定数
北海道12神奈川県18滋賀県4香川県3
青森県3山梨県2京都府6愛媛県4
岩手県3東京都25大阪府19高知県2
宮城県6新潟県6兵庫県12福岡県11
秋田県3富山県3奈良県3佐賀県2
山形県3石川県3和歌山県3長崎県4
福島県5福井県2鳥取県2熊本県4
茨木県7長野県5島根県2大分県3
栃木県5岐阜県5岡山県5宮崎県3
群馬県5静岡県8広島県7鹿児島県4
埼玉県15愛知県15山口県4沖縄県4
千葉県13三重県4徳島県2

※2020年3月25日現在

「小選挙区」と、なぜ「小」という文字が付いているかというと、昔はもっと大きい選挙区制を敷いていたけれど、現在は範囲が小さくなったからです。

選挙区の範囲を小さくした理由としては、「お金がかかりすぎないようにするため」と「選挙区が大きいと、選挙費用を用意できるお金持ちだけが有利」となるためです。

衆議院議員選挙の比例代表制とは

比例代表制とは、選挙区を全国11のブロックに分け、政党の大きさに比例して、議席が配分されるシステムです。

各ブロックの定数と都道府県
北海道ブロック5名北海道
東北ブロック13名青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
北関東ブロック9名茨木県、栃木県、群馬県、埼玉県
南関東ブロック22名千葉県、神奈川県、山梨県
東京都ブロック17名東京都
北陸信越ブロック11名新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県
東海ブロック21名岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿ブロック28名滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
中国ブロック11名鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四国ブロック6名徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州ブロック20名福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

投票用紙には、立候補者の名前ではなく、政党の名前を書いて投票します。

投票から当選までの流れは以下のようになっています。

【衆議院議員選挙】比例代表制の流れ
  1. 全国を11のブロックに分け、投票結果を集める
  2. ブロックごとの政党の得票数を「ドント方式」(議席を配分するための方法)を用いて、議席をふりわける
  3. ブロックごとの議席数が出たら、政党ごとに全国でどれだけ議席が獲得できたか集計する
  4. 事前に政党が用意した名簿(当選して欲しい順に候補者を並べたもの)の順に当選する

比例代表制では、政党の大きさによって獲得議席が平等に配分されるため、小選挙区のように大きな政党が有利という欠点はありません。

比例代表制があることで、候補者に復活当選という道が示されています。

ニュースなどで「●●候補者、復活当選」と言われるのは、「小選挙区制では落選したが、比例代表制で当選した」という意味になります。

しかし、復活当選は「小選挙区で落選している候補者が当選する」ため、「一度は国民から必要ない、と判断された候補者が当選するのは、本当に正しいのか?」と長年論争されています。

参議院議員通常選挙

参議院議員通常選挙
参議院通常選挙は、参議院議員の半数を決めるための選挙です。

参議院議員の定数は245人で、148人が選挙区選出議員、100人が比例代表選出議員となっています。

選挙区選出議員比例代表選出議員
任期6年(任期満了)
定員148人100人
選挙区全国45区全国1ブロック
投票用紙に書く内容候補者の名前政党か候補者の名前

※2020年3月25日現在

選挙が行われるタイミングは、参議院は衆議院と違って解散選挙はないため、6年の任期満了だけです。

ただし、憲法で「3年ごとに半数が入れ替わるように」と定められているため、3年ごとに選挙が行われ、参議院議員の定数の半分が入れ替わるようになっています。

平成30年(2018年)に参議院議員の定数が6人増加しました。

それにより、参議院議員の定数は、3年ごとに半数ずつ選挙が行われるため、令和元年(2019年)の選挙で245人となっていますが、令和4年(2022年)の通常選挙では248人に変わります。

参議院議員選挙の選挙区制とは

選挙区選挙では、全国を45の選挙区に分け、各選挙区で立候補した候補者の中から、得票数の多い順に、選挙区に応じた定数が当選する制度です。

投票用紙には、候補者の名前を書きます。

選挙区は基本的に、都道府県の人口に合わせて定数が決められています。

しかし、2016年の公職選挙法改正によって、島根県と鳥取県、徳島県と高知県は、2県で1つの区としてまとめられています。

定数
1人青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県、新潟県、群馬県、栃木県、長野県、山梨県、岐阜県、富山県、石川県、福井県、滋賀県、三重県、奈良県、和歌山県、岡山県、山口県、香川県、愛媛県、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、鳥取県と島根県、徳島県と高知県
2人茨城県、静岡県、京都府、広島県
3人北海道、千葉県、埼玉県、兵庫県、福岡県
4人神奈川県、愛知県、大阪府
6人東京都

※2020年3月25日現在

45選挙区のうち、一人しか当選しない32選挙区のことを「参議院一人区」、残りの13選挙区は中選挙区制(ひとつの選挙区から3~5名を選出する)、または大選挙区制選挙とも呼びます。

参議院議員選挙の比例代表制

参議院議員選挙の比例代表制は、選挙区を全国で1つとし、政党の大きさに比例して議席が配分されるシステムです。

投票用紙には、政党か候補者の名前、どちらかを書きます。

投票から当選までの流れは、以下のようになっています。

【参議院議員選挙】比例代表制の流れ
  1. 投票結果を「政党の名前」と「候補者の名前」に分け、2つの合計数が政党の得票数となる
  2. 政党の得票数を「ドント方式」(議席を配分するための方法)を用いて、議席をふりわける
  3. 各政党にふりわけられた議席の中から、個人名での得票数が最も多かった候補者から順に当選者が決まる

基本的に得票数の多い順から当選しますが、2018年の公職選挙法の改正で、各党の当選議席数の範囲内であれば、個人名の得票数に関係なく優先的に当選できる「特定枠」が導入されました。

衆議院議員選挙の比例代表制では、政党が用意した名簿を基に当選する人が順位付けされていましたが、参議院銀選挙では名簿に順位が付いていません。

そのため、各比例代表制のシステムのことを、衆議院議員選挙は「拘束名簿式比例代表制」、参議院議員選挙は「非拘束名簿式比例代表制」とも言います。

衆議院議員選挙と参議院議員選挙のシステムのまとめ

衆議院議員選挙と参議院議員選挙のシステムのまとめ
衆議院議員と参議院議員を選ぶ選挙では、選挙区制と比例代表制を採用しており、基本は同じシステムですが、詳細は微妙に違います。
衆議院議員選挙

衆議院議員選挙参議院議員選挙
4年任期6年
解散または任期終了選挙が行われるタイミング任期終了
全国289の選挙区から1人を選ぶ選挙区制全国45の選挙区から1~6人選ぶ
政党が獲得した票で議席が決まり、名簿順に当選が決まる比例代表制政党と個人が獲得した票で議席が決まり、1番多く票を獲得した個人から当選が決まる

参議院議員選挙の「選挙区制」と衆議院選挙の「小選挙区制」の違いは、選挙区で当選する人の数です。

選挙区から1人選ぶのが「小選挙区制」1人または2人以上選ぶのが「選挙区制」と覚えておくと良いですね。

地方選挙

地方選挙
地方選挙には、「一般選挙(地方の議会)」「地方公共団体の長の選挙」「設置選挙」があります。

《一般選挙(地方の議会)》
一般選挙では、都道府県議会の議員、市区町村議会の議員を選ぶ選挙のことです。

任期は4年なので4年に1回選挙が行われます。議会の解散などによっても行われます。

《地方公共団体の長の選挙》
地方公共団体の長の選挙では、都道府県知事や市区長村長、地方公共団体の長を選ぶための選挙も地方選挙です。

任期の4年ごとに行われる選挙だけでなく、住民の直接請求(リコール)による解散、不信任議決による失職、死亡、退職、被選挙権の喪失による失職といった場合にも地方選挙は行われます。

日本国籍を持ち年齢条件を満たしていれば、選挙区に3ヶ月以上住所がなくても立候補できます。

《設置選挙》
設置選挙とは、新しく地方公共団体が設置されたときに、議員と長を決めるために行われる選挙のことです。

設置選挙には、統一地方選挙というものもあります。

統一地方選挙は、ある一定期間に任期満了になる都道府県や市区町村の長と地方議会議員の選挙を、全国的に統一して行われる選挙のことです。

全国的に一斉に選挙を行うことで、「有権者が選挙への意識を高める」「選挙を円滑かつ効率的な執行を図る」という2つの目的で、卯年、未年、亥年の4年に1度行われています。

近々では、2019年に行われました。

選挙の投票率が低いことは社会問題になっている

日本の選挙では、「選挙に行かない」「投票率が低い」という社会問題があります。

統一地方選挙や選挙権の年齢引き下げなど、投票率をあげる対策を行っていますが、結果としてはいまいちです。

何故、選挙の投票に行かないことが問題視されるのか、についての記事があります。
興味のある方はぜひどうぞ。

【関連記事:無投票選挙とは?地方の投票率が低い理由も紹介】
【関連記事:選挙に行かないとどうなるか解説!メリットとデメリットは?】

特別の選挙(国政/地方選挙)

特別の選挙
特別の選挙は、再選挙、補欠選挙、増員選挙の3つがあります。

《再選挙》
選挙のやり直しや当選人数の不足を補うための選挙です。

選挙で、必要な数だけの当選人が集まらなかった、当選した人が後日に死亡してしまった、など当選が無効になるようなことが起きると、繰り上げ当選が行われます。

繰り上げ当選があってもなお、当選人が足りないという場合に再選挙が行われます。

再選挙は、当選人数が一人でも不足している時に必ず行われるものではなく、不足が一定数に達した時に行われわれる場合もあります。

《補欠選挙》
補欠選挙は、議員の不足分を補うために行われる選挙です。

既に議員になっている人が死亡、退職などで議員の定数が不足します。

繰り上げ当選をしても議員の定数が不足する場合に、補欠選挙は行われます。

再選挙と違うのは、「当選人がすでに議員になったか」という点です。

議員になった後に、選挙違反による当選や選挙が無効になった場合、行われる選挙は「補欠選挙」ではなく「再選挙」です。

東京10区の衆議院議員を務めていた小池百合子氏が、東京都知事に選ばれた後に議員を退職しました。

この小池氏の枠を埋めるため行われた選挙が補欠選挙です。

《増員選挙》
増員選挙とは、地方公共団体において合併や境界変更によって人口が増加したとき、議会の定数が任期中に増加させる必要がある場合に行われる選挙です。

過去に、平成の市町村合併で行う自治体が多数ありました。

選挙制度を理解して投票に参加しよう

日本の選挙は、衆議院議員選挙、参議院議員選挙、地方選挙、特別選挙の4つ選挙があります。

それぞれの選挙でどのように当選人が決まるのか、それぞれの違いを把握しておけば理解しやすくなります。

これから選挙に投票するという人は、本記事をぜひ参考にしてください。

選挙については以下の関連記事もございますので、よろしければご覧ください。
【関連記事:選挙の費用は自腹?立候補時の供託金や経費、負担軽減の制度を解説】
【関連記事:選挙時に公約比較をするには?検証の方法や注目すべきポイントも紹介】
【関連記事:インターネット選挙運動でやっていいこと、ダメなこと】

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