憲法改正9条とは?問題点や変えることのメリットやデメリットも紹介

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憲法改正9条と書かれたホワイトボード

憲法改正9条がよく議論されていますが、「憲法を変えることの、何が問題なの?」「9条って、よく聞くけど詳しく知らない…」という人もいるのではないでしょうか。

今回は、日本国憲法9条と、9条の改正について議論されている問題点を分かりやすく紹介します。

憲法9条とは

原爆ドーム

現行の日本国憲法9条は、日本国憲法に記述されている3大原則の1つ『平和主義』を定めています。

(憲法9条)
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

9条を簡単にまとめると3つのポイントにまとめられます。

  1. 戦争を放棄します
  2. 戦力を持ちません
  3. 国の交戦権を否定します

平和憲法とも呼ばれる日本国憲法は、戦争放棄をうたう憲法9条の存在が大きく影響しているのです。

戦力の不保持や戦争の放棄を定めている憲法は、世界的にも珍しい

世界の国々にも憲法はありますが、戦力の不保持や戦争の放棄を定めている憲法は、数少ないです。

例えば、「国際紛争を解決する手段としての戦争」を放棄しているのは、日本以外では以下の国があります。

  • アゼルバイジャン
  • エクアドル
  • ハンガリー
  • イタリア

また、(自衛以外の)軍隊の不保持を掲げる国としては、次の国が挙げられます。

  • コスタリカ
  • パナマ

2019年現在、国連加盟国の数は193か国になります。なんらかの平和主義条項を掲げる国家は多数ありますが、戦争放棄や軍隊不保持を表明している国家は限られているのが実情です。

現在の憲法9条は結局何が問題なの?

腕を組んで考えている男性

憲法9条をめぐる議論は、およそ70年前、1947年の憲法制定直後から続いています。

9条の問題点は、2項の「戦力を保持しない」という規定です。政府が「必要最小限度の実力組織」と位置付けている自衛隊は、憲法が否定している「戦力」に当たるか否かが問題となっています。

憲法9条改正の賛成意見やメリット

YESと書かれた黒板

憲法改正の賛成派の意見として、以下の意見があります。

  • 「自衛隊が違憲なので憲法自体の内容を変えるべき」
  • 「自衛隊は軍隊ではないので新たに国防軍を設置すべき」

現在、日本はアメリカと日米同盟を締結していますが、「果たして日本が他国と揉めた際にアメリカ側がどこまで日本を守ってくれるのか?」「不明確な他国の防衛に頼るのではなく自衛の能力を高めるためにも自衛隊の立ち位置をはっきりさせたい」という意見もあります。

改正メリット1.現状の憲法との相違をなくせる

憲法9条の改正で大きな議題は「自衛隊が合憲であるか?」という点です。

日本国憲法が制定された時には自衛隊が存在していませんでした。自衛隊が発足したことで9条の「戦力の不保持」と自衛隊の存在に矛盾が生じています。

憲法9条を改正する事により、現状の日本国憲法に上記の内容との相違をなくせます。

改正メリット2.自衛官の身を守る事ができる

2つ目のメリットは、自衛官の負担を減らし命を守る事ができる点です。

自衛隊の任務には、海外でのPKO(平和維持活動)があります。実際にカンボジアや南スーダン等でも活動を行っています。

過去のPKO活動中に、カンボジアでは日本人の選挙ボランティアや警察官が殺害され、南スーダンではPKOの拠点である場所で銃撃戦が発生して死傷者が出ています。

自衛隊員は危険な地域に身を置きます。しかし、自衛隊は「武器使用」に関する制約が他国の軍に比べて非常に多く、もし武装集団に襲撃された場合には拳銃や小銃といった軽微な装備で、正当防衛として応戦しなければなりません。

憲法改正を行い、武器の制約がなくなれば、自衛官自身の身を守る武器使用が、可能になる可能性があります。

憲法改正9条の反対派意見やデメリット

NOと書かれた黒板

憲法改正に反対の意見として、以下の意見があります。

  • 「日本が戦争ができる国になるのでは」
  • 「世界平和のために任務を行う事で災害復興の人出が足りなくなるのでは」

一番多い意見は「日本が戦争をできる国になるのでは?」です。

日本は日本国憲法を改正することなく、戦後70年以上に渡り戦争に参加することなく平和を維持する事ができました。

現在の憲法9条があるおかげで、平和の維持ができていると考えている人が多く、「自衛隊を国防の軍に変えると、戦争を行う国に変わってしまうのではないか?」と心配している人がいます。

改正デメリット1.自国だけでなく他国への戦争に参加できるようになる

日本は憲法9条で、侵略戦争や他国におもむいて武力行使をすることが禁止されています。

自衛隊の行動や軍備は厳しい制約があるため、他国に叩かれても防御のみ、自衛するしか手段がありませんでした。

しかし、9条が改正されることにより、厳しい武器使用制限は緩和され、他国への武力行使が可能となり戦争もできるようになります。

今までは武力行使が憲法で禁じられていたため、他国での戦争参加は回避していましたが、望まなくても他国が起こす侵略戦争に参加できるようになる恐れが生じます。

改正デメリット2.微兵制の復活

もし憲法9条が改正されて「自衛隊」が明文に規定されてしまうと、微兵制が復活すると恐れる意見があります。

憲法改正で戦争に関わる可能性が高くなると、戦争を恐れて自衛隊の人員が減少するかもしれません。部隊運用に必要な人員確保のために、強制的に一般市民を軍に入れる「徴兵制」という制度が復活する、という理屈です。

また憲法改正により、自衛隊の活動や任務が日本国憲法12条「公共の福祉」に適するとして、国民の基本的人権を守るためという正当化が根拠として使われ、自衛隊を維持するため予算増額される可能性があります。

憲法改正はどのようにされるのか

国会議事堂の正面

憲法改正は国会会期中に発議が行われて改正されます。

日本国憲法改正の手続きは、以下の手順となります。

  • 1.衆参両議院で総議員の2/3以上の賛成
  • 2.国会が憲法改正を発議
  • 3.国民投票を行い、有効投票の過半数の賛成があれば成立
  • 4.天皇が国民の名において公布

法律案や予算案は衆議院の優越が認められているため、衆議院の可決のみで成立となります。

しかし、憲法改正の際には衆議院の優越が認められていないため、憲法改正の発議を行うには衆参の両院で2/3の賛成票を獲得が必要です。

衆議院の優越については、こちらに詳しい記事がありますので、あわせてご確認ください。
【参考:衆議院と参議院の違いとは?人数・任期・役割などを詳しく解説

安倍首相は9条を維持したまま憲法に自衛隊を明記することを提案

安倍首相は日本国憲法に「憲法9条1項・2項を残して、自衛隊を明記する」事を提案しました。そして「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と発言しています。
2017年の衆議院選挙では、自民党は国政選挙の重要な項目として初めて憲法改正を掲げて勝利しました。

今までは、憲法改正に必要な国民投票を実施するには「国会議員の3分の2による発議」が必要で、憲法改正が議論されていても過去に国民投票まで実現するのが困難でした。

しかし、安倍政権が発足し憲法改正に前向きな勢力が衆参ともに3分の2を超え、改憲が現実味を帯び、メディアで取り上げられ、議論されることが増えてきたのです。

憲法改正9条の内容を理解して注視しよう

憲法改正9条には、様々なメリットやデメリットがあります。憲法改正9条の変更内容を把握することにより、反対や賛成意見について理解ができます。

現在、安倍総理が憲法改正9条を改正しようと動いています。社会情勢や政治の動きに注目してはいかがでしょうか。

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政治経済の基礎知識

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