18歳選挙権のメリット・デメリットとは?国・社会と投票者の両観点

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18歳選挙権のメリット・デメリットとは?国・社会と投票者の両観点
2016年、日本の公職選挙の選挙権の年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられました。制度の変更により、一部の大学生を含め、大勢の人が国の未来を決める選挙に参加できるようになったのです。
20歳以上からの選挙と18歳以上からの選挙。年齢の引き下げにはどのような効果があるのか、国側と投票者側の両方で考えてみましょう。

18歳選挙権のメリット:国・社会側の場合

18歳選挙権のメリット:国・社会側の場合
選挙権の年齢引き下げは、国の政策によって行われました。あらゆる政策にも言えることですが、メリットがあるからこそ改定を行います。

たった2年引き下げただけではあまり変化が無いように思えますが、どのような理由があるのでしょうか?

年齢の引き下げによる、国や社会のメリットを紹介します。

投票数が増える

もっともわかりやすい理由として、「総投票数が増える」ということが言えます。

選挙立候補者にとって、浮動票が増えるということは自分の票になる可能性があるということです。若者向けの政策を発表し、18歳・19歳の浮動票を獲得できれば、当選する可能性が上がります。
投票数とは、支持をする人の数です。より多くの意見を求められると共に、立候補者には責任を持って政策に向き合う覚悟を持ってもらえるようになるでしょう。

若者の考えを取り入れられる

年齢の引き下げということは、当然「18歳・19歳の若者の考えが取り入れられる」ということでもあります。

20歳からたった2年の引き下げで、人によっては「18も20もあまり変わらない」と思うかもしれませんが、18歳はまだ高校生でもあり、高校生の考えが政治に影響するともいえるのです。

社会に出ることで責任を持つようになり、考えも大きく変わります。高校生と社会人では政治に対する考え方や見方も変わり、高校生ならではの考えも存在します。

社会は20歳以上の大人だけのものではありません。18歳以下の未成年だからこそ感じている不満や問題も多く、18歳、19歳の意見を聞くことで、子どもたちにとっても良い政治を模索していけるようになるでしょう。

世界基準になる

18歳選挙権になることで、「選挙年齢が世界基準に合う」ようになります。
選挙できる年齢は国によって違い、18歳以上から投票できる国が最も多いです。
また、18歳選挙権を皮切りに「成人年齢の引き下げ」も検討されており、多くの政策が世界基準に合わせられるようになります。
他国との違いも減って、よりグローバル化が進むことでしょう。

18歳選挙権のデメリット:国・社会側の場合

18歳選挙権のデメリット:国・社会側の場合
年齢の引き下げによるメリットは、「投票が多くなることで多くの意見が集まる」からでした。将来を見据えた政策を行うなら、若い世代の意見は貴重といえるでしょう。

ですが、年齢の引き下げは決してメリットだけではありません。
多くの意見が集まると、比例して問題も出てきてしまうのです。

年齢の引き下げたことでどのようなデメリットが生じるのか?国や社会側から考えてみましょう。

準備費用の増加

わかりやすいデメリットで言えば「準備費用の増加」が考えられます。
当たり前ですが、有権者が増えるということは、さまざまな手間が増えます。通知書の準備はもちろん、有権者を調べて発送するなど、費用や人件費などが改定前よりも多く必要になるでしょう。

年齢の引き下げによって数十億の選挙費用が増えるという話もあり、決して少額ではないことがわかります。

増えた分の費用は税金で賄われますので、国にとってはできる政策が減ってしまい、国民にとっては増税の可能性がデメリットになってしまうのです。

政策で考えずお気に入りで投票してしまう

年齢の引き下げを発表した際、「お気に入りで投票する」若者が増えると危惧される話がありました。

偏見もありますが、18歳はまだ子どもの分類で考える人が多く、政治に興味のない若者も多く存在しています。いざ選挙権を渡されても「誰に入れたらいいかわからない」と情報が無く、迷ってしまう若者もいるのです。

結果、「この人なら知っている」とアイドルや芸人といった、知名度がある立候補者に投票し、政策の詳細を二の次にするのではないかと危惧されています。

もちろん、今後は学校でも政治についての授業が増えると思いますので、しっかりと考える若者も増え、「お気に入りで投票する」といったことはなくなるとは思います。

たかが18歳と19歳分の投票数であり、選挙に大きく影響するわけではありませんが、悪い言い方でいえば「選挙が荒らされる」ことが年齢引き下げのデメリットといえるでしょう。

18歳選挙権のメリット:投票者側の場合

18歳選挙権のメリット:投票者側の場合
年齢の引き下げは国の政策なのですから、国や社会が得するのは当たり前です。得をして豊かになるからこそ、国は良い方向へ舵を切れるのです。

ですが、年齢の引き下げは個人、つまりは投票者にもメリットがあります。

年齢の引き下げによるメリットは、どのようなことがあるのでしょうか?18歳と19歳の個人の観点から考えてみましょう。

自分で支持者を選べるようになる

選挙年齢の引き下げになることで「18歳の若者でも支持者を選べる」ようになります。
今まで、18歳と19歳は選挙の蚊帳の外になり、たとえ応援したい立候補者がいても支持できませんでした。人によっては望まない候補者が選ばれ、モヤモヤした人もいることでしょう。

ですが、年齢の引き下げになったことで、18歳と19歳も自分で支持者を選べるようになりました。
間接的にではありますが、今後は18歳から国の舵取りに参加できるようになるでしょう。

大人の仲間入りになる

今まで選挙権は20歳から、つまりは成人になってからという一つのボーダーラインでもありました。他にもラインはありますが、「選挙できることは大人になる」という基準でもあったのです。

年齢の引き下げによって、今後は2年早く大人の仲間入りになります。年齢的にはまだ大人ではありませんが、選挙ができることで精神的な大人になるわけです。

また、将来的には年齢の引き下げに伴い「成人年齢の引き下げ」なども政策で検討されており、書類上でも18歳から大人になると言われています。
大人になることでお酒などの嗜好品が楽しめるようになったり、1人でカード会員になれたりなど、できることが増えます。たった2年ではありますが、お酒などが早く楽しめるようになるかもしれません。

18歳選挙権のデメリット:投票者側の場合

18歳選挙権のデメリット:投票者側の場合
年齢の引き下げによって、18歳と19歳は選挙に参加できます。いままで蚊帳の外だった人たちも、年齢の引き下げによって参加でき、国を考え将来の心構えを持つことができるようになったのです。

ですが、年齢の引き下げによってデメリットを生じることもあります。

18歳と19歳に選挙権が発生することで、どのようなデメリットになるのか?個人の観点から考えてみましょう。

受験勉強に影響する

年齢が引き下げられたことで18歳から選挙に参加できるようになりましたが、同時に「受験勉強に影響を及ぼす」可能性が出てきます。

18歳と聞くと「高校卒業」しているように思えますが、実際には高校3年生の間に18歳となります。そして、高校3年生は受験勉強真っただ中の時期でもあるのです。
大切な時期に選挙を気にする余裕はありません。多くの若者は選挙よりも受験勉強に集中したいと思うことでしょう。

時間のかからないインターネットからの投票や、そもそもボイコットして選挙に参加しないなどの方法もありますが、政治関係の授業が増えるなども考えられ、少なからず受験勉強に影響がでてしまうかもしれません。

18歳選挙権の導入で投票はどう変わってきているか?

18歳選挙権の導入で投票はどう変わってきているか
「年齢の引き下げによって選挙が変わった」といっても、多くの人はピンと来ないと思います。「18歳と19歳ではないからわからない」という意見もそうですが、一番は目で違いを確認できず漠然としているからだと思います。

そのような人のため、18歳選挙権が導入されて行われた「第24回参議院議員通常選挙」と「第48回衆議院議員総選挙」の投票率の結果から、どのように変化したのかを紹介します。

選挙結果から今後はどのように変化していくのでしょうか?

18歳・19歳の投票率と今後

総務省が調査したそれぞれの投票率の詳細を確認すると、第24回参議院議員通常選挙では全国平均で約45%、第48回衆議院議員総選挙では全国平均で約40%の若者が投票を行いました。

約50%の結果は一見すると少なく感じますが、第24回参議院議員通常選挙の年齢別投票率の詳細によると、20代の投票率が約30%台、30代の投票率が約40%台であり、比較すると18歳・19歳の投票は決して少なくないことがわかります。

また、地域ごとによって投票率は違い、最も高い東京の投票率が約57%に対して、最も低い高知県は投票率が約30%と違いがあります。
偏見もありますが、政治に興味の無い若者にとって政治とは「メディアで紹介されるもの」であり、地方で活躍する候補者よりも、メディアなどの記事一覧で紹介される首都圏の政党のほうが身近なため、「選挙に参加する」という意識が薄いのかもしれません。
今後は若者たちに政治に興味を持ってもらえるよう、学校での政治対策が増える可能性があります。

今後は若者の意見も重要になる

20代の投票率が低いのは、単純に「政治に関して知識が無い」からだと考えられます。学校からは「まだ選挙と関係ない」「社会に出てから学べばいい」と判断されておざなりになり、20代は知識と興味がなく選挙に参加しなかった可能性があるのです。

証拠として、50代の投票率は約60%、70代の投票率は約70%と社会を知るごとに投票率も上がってきています。

ですが、18歳から選挙できるようになると「社会に出てから学べばいい」という猶予はなくなってしまい、考えて投票できるようにするには学校で教えるしかありません。

結果、学校での政治対策が増え、若者や地方の投票率も上がると考えられます。
今までの投票は50~70代が中心でしたが、今後は20代前後の若者も大きく投票にかかわるようになります。インターネットでの投票が増える現代では、インターネットに強い若者のほうこそ投票率が上がる可能性があるからです。

今後は50~70代向けの政策を掲げるだけではなく、若者向けの政策を掲げなければ通用しないのかもしれませんね。

18歳選挙権のメリット・デメリットを理解して積極的に投票に行こう

選挙権の年齢の引き下げには国側と投票者側の両方で理由があるのがわかったと思います。
選挙は国の方針を決める代表を選ぶ重要な政策です。たった一票ではありますが、一票の影響で当選者が変わるかもしれないのです。
将来的なメリットを理解し、18歳から積極的に投票に参加していきましょう。

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政治経済の基礎知識

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