女性の貧困率が高い理由|給与格差や社会的役割から考える

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女性の貧困率が高い理由|給与格差や社会的役割から考える

女性の貧困が社会問題になっています。生まれたときは性別による経済格差はないはずなのに、なぜ女性は貧困状態になりやすいのでしょうか。
日本における男女間の給与格差や社会的役割の違いから女性の貧困について解説します。

女性の貧困率

女性の貧困率

年齢階層別の相対的貧困率(平成22年)によりますと、25~29歳までの階層では男性のほうが相対的貧困率は高いのですが、30~34歳の階層では同程度になり、35~39歳の階層からはほとんどすべての階層において女性の貧困率が高くなっています。

とりわけ高齢になればなるほど女性と男性の貧困率の差は大きくなり、80歳以上の階層では男性の相対的貧困率が16.6%であるのに対し、女性の相対的貧困率は27.1%になっています。

男女の給与格差と差が出る理由

男女の給与格差と差が出る理由
20代まで女性の貧困率が男性より低い理由の1つとして、早く社会に出ることを挙げられます。高校や短大、専門学校を卒業して18~21歳から働き始める女性は少なくありません。
一方、男性は4年制大学に進学するケースも多く、22歳を超えてから働き始めることが過半数を占めています。そのため、20代だけを見ると男性のほうが相対的に貧困状態にあることが多いです。

大学進学率 大学院進学率
男性 女性 男性 女性
2015年 55.4% 47.4% 14.8% 5.8%
2016年 55.6% 48.2% 14.7% 5.9%

給与が上りにくい

早期から働き始めているにもかかわらず、30代に入ると女性の貧困率は男性の貧困率を上回ってしまいます。その理由として、女性は正社員として働いていても給与が上がりにくいこと、昇進の機会が少ないこと、役員が少ないことを挙げられます。

男女雇用機会均等法が制定されたことで、同じ職場・同じ役職で雇用された場合は、給料に男女差はなくなりました。しかし、昇進の機会が少ないことで、男性に比べると女性の給料は上がりにくくなっています。
状況は改善されつつあるものの、女性正社員の給与は男性の正社員の給与の3分の2~4分の3程度です。

2005年 2017年 2018年
男性正社員・正職員を100としたときの
女性正社員・正職員の給与水準
68.7 75.7 75.6

非正規雇用が多い

女性はパートタイムで働いているケースや派遣社員のように非正規雇用で働いているケースが多いことも、女性の相対的貧困率が高い一因として挙げられます。
大学や大学院を卒業していないために正社員として就職できないケースもありますし、一度は正社員や正職員として就職したものの、結婚や出産、育児を機に非正規雇用に働き方を変えることもあります。

家事の担い手が多い

共働き世帯が増えていますが、家事の担い手が女性であるという点はあまり変わっていません。女性が家事や育児をこなしつつ外で働くとなると、フルタイム勤務は難しくなってしまいます。

また、育児に時間をかける必要がなくなってから正社員として働こうとしても、受け入れ先が見つからず、非正規雇用のまま働かざるを得ないケースも多いです。

そのほかにも、家族の介護問題もあります。親や義両親に介護が必要になったときも、男性ではなく女性の尽力を期待されることが多いです。介護をしながら正社員として働くことは難しく、雇用形態を非正規へとシフトせざるを得ないこともあります。

正社員での再就職が困難

一度、正規雇用から非正規雇用に移ってしまうと、再び正規雇用で採用されることは容易ではありません。とりわけ年齢が高くなると、正社員や正職員としての就職が難しくなります。

また、非正規雇用として働いている期間が長いと、「本当に毎日朝から晩まで仕事できるのだろうか」と労働者自身が不安になることもあります。「育児や介護で突然呼び出されることがあったらどう対応すればよいのか」と考え、正規雇用で働くことを望まない女性も多いのです。

ところで、非正規雇用で低収入の期間が長いということは、老後に受給できる年金額が少なくなることを意味します。高齢者における相対的貧困率の男女間格差が大きいことは、女性の生涯年収の少なさを反映していると言えるでしょう。

正規雇用の減少

人件費削減のために、正社員の雇用を減らしている会社もあります。男女を問わず非正規雇用者の募集が増えているため、新卒であっても正社員・正職員としての就職が難しくなっています。

また、経済状況に余裕がなく、充分な就職活動をできずに非正規雇用の仕事に就く方も少なくありません。学生のときはアルバイトで忙しく、卒業後は奨学金返済で忙しいために、簡単に就職できる非正規雇用の仕事を選ぶこともあります。

貧困女性への支援制度

貧困女性への支援制度

女性の貧困問題を軽減するために、国や自治体、民間団体ではさまざまな取り組みを実施しています。たとえば児童扶養手当は、シングルマザーなどのひとり親世帯で収入が一定以下の世帯が受け取れる給付金です。離婚により貧困状態になる女性は多いですが、子どもを抱えることでさらに貧困状態が深刻なものとなります。児童扶養手当制度を活用すれば、子どもの人数と収入によって毎月家計の補助を受けられます。

生活そのものが成り立たないときは、生活保護制度の活用も検討できるでしょう。自治体によっては、貧困女性に向けた独自の支援やシングルマザーに向けた独自の制度が利用できることもあります。

なお、貧困女性への支援制度は金銭的な支援だけではありません。次に紹介するような女性のキャリアアップや住宅の支援制度もあります。

生活保護を受給する条件などを知りたい方は以下が参考になります。
【関連記事:シングルマザーでも受けられる!生活保護に必要な条件とは

自立支援制度やシェルター

看護師や介護士などの資格を取得することで、安定した収入を得やすくなります。国が実施している高等職業訓練促進給付金等事業を活用すると、ひとり親世帯の親が看護師や介護福祉士などの資格を取得するために1年以上学校に通う場合に毎月一定の給付金を受給できます。

また、自治体やNPO団体などで、シングルマザーなどの女性に向けた相談所を開設していることもあります。忙しくて相談所に行けない方には電話相談に応じていることもあり、話し相手がいない方も不安な気持ちを聞いてもらえます。
そのほかにも、DVや突然の離婚などで住む場所を失った方が一時的に利用できるシェルターを提供している団体もあります。

貧困の際に頼れる支援制度を知っておこう

最終学歴や育児・家事・介護の負担などのさまざまな要素により、女性は男性よりも貧困状態に陥りやすいです。また、生活基盤がない状態で離婚をすると、さらに生活が困難になることがあります。いざというときのために、貧困になった場合にどんな支援制度を活用できるのか知っておきましょう。

近年では子どもの貧困も話題になっています。子どもの貧困について詳しく知りたい方は次の記事をどうぞ。
【関連記事:子供7人に1人が貧困って本当!?日本の現状と対策

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