韓国経済の実態と日本との関係性や影響についての解説

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韓国の紙幣と硬貨

韓国と日本の関係悪化が、メディアで頻繁に取り上げられています。両国の関係の変化は、実際のところ、お互いの経済にどのような影響を与えているのでしょうか。

韓国経済の実態と日本との関係について解説します。

韓国経済の成長を歴史から見る

韓国籍のタンカー

韓国の経済は、太平洋戦争終了時に大きく冷え込みました。また、1950年に朝鮮戦争が起こり、1953年に休戦協定を結ぶまで動乱が続いたため、1945年に終戦を迎えた日本よりも経済復興は8年ほど遅れることになったのです。

朝鮮戦争は国内が戦地となったため、壊滅的とまで言えるダメージを韓国に与えました。
しかし、1965年に締結された日韓基本条約により、日本が韓国に遺したインフラや資産を韓国が無償で受け継ぐこと、そして、日本が韓国に5億ドルの補償金を支払うことが決まり、韓国経済は大きく変貌していきます。

日韓基本条約で定められた補償金のうちの3億ドルは、韓国国民に支払われるはずのお金でした。しかしながら、韓国政府は補償金を国内投資にまわし、高速道路や漢江鉄橋、浦項総合製鉄などの大規模事業を興し、1960年代後半~1990年代まで「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長を実現していきました。

1997年のアジア通貨危機で一時的に韓国経済は冷え込みましたが、2001年までにはIMFに資金完済を終えています。また、2018年10月時点では国内総生産(GDP)は世界第11位と急速な回復を遂げています。

韓国経済の動向と、日本との関係性

朝鮮戦争は、日本に戦争特需を招きました。在日アメリカ軍や在朝鮮アメリカ軍、在日国連軍などが日本に兵器や車両、軍服などの繊維製品、鋼管などの鋼材等を発注し、日本の工業分野が多岐にわたって発展するようになったのです。一連の戦争特需を朝鮮特需と呼び、日本の経済復興と発展に大きく影響を与えました。

日本から韓国へ与えた経済的な影響としては、日韓基本条約で定められた5億ドルの無償提供資金を挙げられます。

アジア通貨危機以後も、日本と韓国はお互いが貿易において強固な関係を築いています。日本は韓国の輸出相手国としても輸入相手国としても主要な位置を占め、反対に、韓国も日本の輸出入の相手国として主要な位置を占めています。

日本の輸出先と輸入先の、トップ6の移り変わりを表にまとめました。

<日本の輸出先トップ6>
(国・地域名/輸出額/%はシェア率)              (単位:100億円)

順位1990年
輸出総額
[4,146]
2000年
輸出総額
[5,165]
2010年
輸出総額
[6,741]
2018年
輸出総額
[8,148]
1位アメリカ
1,356(31.5%)
アメリカ
1,536(29.7%)
中国
1,309(19.4%)
中国
1,590(19.5%)
2位ドイツ
257(6.2%)
台湾
387(7.5%)
アメリカ
1,039(15.4%)
アメリカ
1,547(19.0%)
3位韓国
252(6.0%)
韓国
331(6.4%)
韓国
546(8.1%)
韓国
579(7.1%)
4位台湾
223(5.4%)
中国
327(6.3%)
台湾
460(6.8%)
台湾
468(5.7%)
5位香港
189(4.6%)
香港
293(5.7%)
香港
370(5.5%)
香港
383(4.7%)
6位イギリス
156(3.8%)
シンガポール
224(4.3%)
タイ
299(4.4%)
タイ
356(4.4%)

<出典:財務省貿易統計より>

<日本の輸入先トップ6>
(国・地域名/輸出額/%はシェア率)              (単位:100億円)

順位1990年
輸入総額
[3,386]
2000年
輸入総額
[4,094]
2010年
輸入総額
[6,076]
2018年
輸入総額
[8,270]
1位アメリカ
759(22.4%)
アメリカ
778(19.0%)
中国
1,341(22.1%)
中国
1,919(23.2%)
2位インドネシア
182(5.4%)
中国
594(14.5%)
アメリカ
591(9.7%)
アメリカ
901(10.9%)
3位オーストラリア
179(5.3%)
韓国
220(5.4%)
オーストラリア
395(6.5%)
オーストラリア
505(6.1%)
4位中国
173(5.1%)
台湾
193(4.7%)
サウジアラビア
315(5.2%)
サウジアラビア
373(4.5%)
5位韓国
169(5.0%)
インドネシア
177(4.3%)
アラブ
首長国連邦
257(4.2%)
韓国
355(4.6%)
6位ドイツ
167(4.9%)
アラブ
首長国連邦
160(3.9%)
韓国
250(4.1%)
アラブ
首長国連邦
305(3.7%)

<出典:財務省貿易統計より>

過去30年の輸出入の動向を見ても、韓国は上位にランキングされています。
韓国と日本の経済的な結びつきが読み取れます。

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韓国と日本の経済問題

日の丸と韓国旗

2019年8月28日、日本政府は韓国をホワイト国から除外しました。ホワイト国とは、輸出手続きにおいて優遇措置を取る国のことで、日本では輸出管理体制が整っていると考えられる27の国をホワイト国として指定しています。

27ヶ国にはアメリカやオーストラリア、ドイツ、イタリアなどの国々が含まれていますが、韓国はアジアにおいて唯一のホワイト国でした。しかし、ホワイト国除外が決まり、2019年9月時点では26ヶ国のみが輸出手続きにおける優遇措置対象国になっています。

なお、2019年8月2日、経済産業省では輸出手続きの優遇措置対象国を、従来のホワイト国という呼び方から「グループA」に変更しました。また、日本政府の動きを受けて、韓国も日本をホワイト国から除外する動きを見せています。

韓国内での経済影響

韓国が日本のホワイト国から除外されても、日韓の貿易が制限されるわけではありません。従来通りに輸出入をおこなうことは充分に可能です。しかし、ホワイト国でなくなることで、輸出入の手続きに時間が従来以上にかかることになります。

韓国の製造業は「必要な量だけを生産する」というスタイルが多いため、輸入手続きに時間がかかるようになると生産タイミングの調整が難しくなり、製造に支障が出るでしょう。

また、韓国は鉱物資源が少なく、ほとんどの工業は材料を輸入でまかなっています。日本からの輸入タイミングの調整が難しくなることで、国内での生産時期だけでなく海外への輸出時期の調整も難しくなると予想されます。

日本国内での経済影響

韓国がホワイト国から除外されることで、韓国向けの輸出手続きに手間がかかるようになります。また、韓国が日本から輸入する際の手間を回避するために他の国から原料等を輸入するようになると、日本の輸出額が減少する可能性があります。

2010年時点では、韓国は日本の輸出相手国の第3位(8.1%)の位置を占めているため、大きな打撃を受ける恐れもあるでしょう。

韓国と日本の経済における今後の課題

韓国の市場を訪れた外国人観光客

日本と韓国は地理的に近いため、輸出入だけでなくお互いが観光や文化にも影響を与えています。しかし、1910年の韓国併合以来の支配・被支配の歴史から、感情的にネガティブな反応を示す人も少なくありません。

ホワイト国から除外という貿易措置の変化を慰安婦問題や徴用工問題と混同し、相互の貿易によくない影響を与えてしまうのでは困ります。日本が韓国をホワイト国から除外するに至った経緯を国内外に周知させ、決して感情的な措置でないことをアピールする必要があるでしょう。

安全保障貿易管理のためのホワイト国除外措置

日本が韓国をホワイト国から除外したのは、日本が輸出した物質を韓国側が平和目的以外に使用する恐れがあると判断したからです。

とはいえ、日本が一方的にホワイト国除外を韓国側に宣告し、実施したのではありません。ホワイト国除外の可能性を韓国側に説明した上で、とりわけ兵器製造の恐れの高いフッ化ポリイミドなどを輸出管理強化品目に指定し、一時的な輸出規制をおこないました。

しかし、韓国が適切な対応を取らなかったため、ホワイト国から除外という措置に至ったのです。

観光への余波

日本側の説明にも関わらず、韓国のホワイト国除外措置を感情的な報復だと考えている人も少なくありません。韓国では日本製品不買運動や日本への渡航の取りやめといった行為に踏み切る人もいます。

実際に、日本のさまざまな観光地では、韓国人観光客が減っているとの報告もあります。日本への観光客は中国人に次いで韓国人が多く、韓国人観光客をターゲットとしたツアーなども多数実施されていましたが、2019年に入って利用者減のために開催が見合わされることも増えてきています。日韓を結ぶ航空便や船便も減便や運休が相次ぎ、修学旅行先を韓国から別地域に変更する学校もあります。

韓国と日本の経済問題を知るとニュースがさらにわかりやすくなる

近くて遠い国、韓国と日本の間には、さまざまな感情のもつれや歴史解釈の違いといった問題があります。
また、両国が経済面でも大きな影響を与えてきたため、ホワイト国除外措置もシンプルな問題として片づけることは困難です。
日韓の経済問題を通して、今後の両国の関係に注目していきましょう。

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