日本が物価の安い観光大国として人気の理由について解説

シェア

ツイート

LINEで送る

Pocket

ブックマーク

日本が物価の安い観光大国として人気の理由について解説

日本といえば、かつては物価の高いイメージが強い国でしたが、近年はむしろ物価の安さを目的に日本に訪れる外国人観光客が増加し、観光大国としての人気が高まっています。
そこで本記事では、日本の物価がなぜ安くなったのか、なぜ外国人観光客に人気なのかについて、最新のデータも交えながら解説していきます。

日本は物価の安い観光大国

日本は物価の安い観光大国

日本は10年から20年ほど前までは世界的に物価の高い国でしたが、近年では物価の安い国になりつつあります。中国人観光客のいわゆる「爆買い」などは、日本の物価の安さを象徴しています。

日本の物価が安くなってきている原因としては、デフレやアベノミクスによる円安誘導、そして低賃金でも一生懸命働く日本人の国民性などが考えられます。

日本が観光大国となっているのは、日本文化が外国人にとって魅力的なのはもちろんですが、物価が安く海外旅行先としてお手頃なことも大きな要因となっているのです。

アベノミクスの内容について改めて内容を確認したい方はこちらの記事をご確認ください。基本となるポイントをわかりやすく解説していますよ。
【関連記事:アベノミクスとは?基本をシンプルに解説

外国人料金が設定されている国もある

海外の観光地では、外国人と現地人で別料金を設定する「外国人料金」が適用されることがよくあります。最近日本でも、沖縄のビーチでパラソルのレンタル料に外国人料金が設定されていたことが話題となりました。
外国人料金は観光施設の入場料に設定されることが多く、交通費や飲食代などに設定されることもあります。

そこで各国の観光施設の外国人料金の例を紹介します。現地人の入場料に比べて、外国人料金はかなり高く設定されています。

施設名現地人料金外国人料金
ワットプラケオ(タイ)無料500バーツ(約1,500円)
タージマハル(インド)45ルピー(約80円)1,050ルピー(約1,800円)
アンコールワット(カンボジア)無料37ドル(約4,000円)
ペトラ遺跡(ヨルダン)1ディナール(約150円)50ディナール(約8,000円)

 
日本ではこういった外国人料金はほとんど見られないので、外国人観光客は全てのサービスを日本人と同じ料金で利用できます。これも外国人観光客が日本の物価に割安感を感じる要因の一つになっているかもしれません。

日本への外国人観光客の推移

次に、日本を訪れる外国人観光客数の推移について紹介します。

外国人観光客の数
1980年1,316,632人
1990年3,235,860人
2000年4,757,146人
2010年8,611,175人
2018年31,191,856人

 
2010年ごろまではゆるやかに増加していましたが、2014年ごろから急激に外国人観光客が増加し、2018年はついに3,000万人を突破しました。近年では海外の情報誌におすすめの旅行先として紹介されています。

2019年の外国人観光客の数は7月末時点で19,624,733人。単純計算では年間の観光客数は約3,364万人となる見込みです。2019年は2018年よりもさらに観光客の数が増える勢いです。
また、2020年には東京オリンピックが開催されるので、外国人観光客数は、より増加すると予想されます。

近年外国人観光客が急激に増加している理由としては、日本文化に興味を持つ外国人が増えたのに加えて、観光庁の訪日旅行促進事業による外国人観光客の呼び込み政策、そしてアベノミクスによる円安誘導などが要因といえるでしょう。

日本の物価が安い理由

日本の物価が安い理由

昔と違って日本の物価は確かに安くなってきていますが、その理由にはどんなものがあるのでしょうか。

例えば、アベノミクスにより円安が加速したため、外国から見た日本の物価が相対的に下がっているということが理由として挙げられます。もちろん、デフレによって物価が実際に下がっていることも大きな要因です。
また、物価が安かった発展途上国が、経済発展により物価・賃金が上昇したことで相対的に日本の物価が安くなった要因だといえるでしょう。

日本人の賃金は高い?安い?

OECD(経済協力開発機構)の調査によると、世界各国の最低賃金は、ヨーロッパ諸国が10ドル前後、日本・アメリカが約7ドル、韓国が約5ドル、中国・東南アジア諸国が2ドル前後です。

日本の最低賃金は東南アジアなどの発展途上国よりは高いものの、先進国の水準の中では低いといえます。
消費者にとって物価が低いことは嬉しいことだと感じますが、賃金が安ければ買える物の量は増えないので残念ながら意味がありません。

現在の中国や東南アジア諸国の最低賃金は、日本に比べるとまだ低いですが、上昇率が高く年々先進国の水準に迫っています。これに対して日本の賃金が大幅に上がる見込みは薄いので、世界における日本の賃金を相対的に見ると、今後さらに安くなっていく可能性が高いといえるでしょう。

日本の不動産は高い?安い?

不動産の価格・賃料は同じ国でも主要都市か地方かによって変わりますし、高所得者層向けか低所得者層向けかによっても違ってきます。
そのため、一概には言えませんが、日本不動産研究所が公表している「国際不動産価格賃料指数」を参考にして、日本の不動産が世界各国と比べて高いか安いかを調べてみましょう。

国際不動産価格賃料指数によると、高級マンション・高級住宅の賃料は、ロンドン・ニューヨーク・香港が最も高く東京の約2倍程度、北京・台北・シンガポールは東京と同程度となっています。そして大阪・韓国が東京の半額から8割程度、バンコク・ジャカルタ・ホーチミンが東京の1割から3割程度となっています。

このデータを見ると、日本の大都市の高級住宅の価格は、ロンドン・ニューヨーク・香港よりはかなり安いものの、先進国の主要都市としては平均程度の価格帯だといえるでしょう。

日本の物価が安いのは国民性の影響

日本の物価が安いのは国民性の影響

日本の物価の安さの原因はデフレや円安以外に、日本人の国民性も大きく影響しているといえます。

例えば日本で飲食店やコンビニなどに行くと、時給1,000円程度で働いているアルバイトの人が、非常に丁寧な接客をしている姿を見ることができます。
日本では1,000円以下でおいしい料理が食べられる店が当たり前のように並んでいますが、アメリカやヨーロッパの飲食店で同レベルの料理を食べようとした場合、もっと高額だったり、日本のような丁寧なサービスを受けられないことがよくあります。

日本人の勤勉さやおもてなしの精神のおかげで、高い料金を払わなくてもレベルの高いサービスを受けられるという国民性が、結果的に日本の物価の安さに影響しているという面はあるでしょう。

ビックマック指数とは

ビッグマック指数とは、マクドナルドのハンバーガー「ビッグマック」の価格を基準に、その国の為替レートを考察する理論です。1980年代に、イギリスの「エコノミスト」という新聞で使われたのが始まりとされています。
正式な経済指標ではありませんが、分かりやすさとビッグマックを基準にする面白さもあって、今でもよく使われています。

ビッグマック指数は、ビッグマックの材料や生産方法がどの国でもほぼ同じなので、各国のビッグマックの値段を比較すれば、統計的に適切な為替レートに対応していると考えられます。
例えば2019年現在、アメリカのビッグマックは5.74ドル、日本のビッグマックは390円なので、5.74ドル=390円、つまり1ドル=67.9円を適切な為替レートと考えます。
それに対して、実際の為替レートは2019年9月現在1ドル=106円くらいなので、この理論では現在の為替レートは円安ということになります。

なお、意味や使い方はビッグマック指数とほぼ同じですが、最近ではスターバックスのトール・ラテを基準にした「トール・ラテ指数」というものも登場しています。

円安と円高についてわかりやすく解説している記事もあります。興味のある方はこちらもご覧ください。
【関連記事:円安と円高をわかりやすく解説!仕組みやメリットについても紹介

日本の観光客が多いのは物価の安さも原因

日本の物価は円安や日本人の国民性など、様々な理由によって徐々に安くなってきています。近年日本を訪れる外国人観光客が急増しているのは、物価の安さも原因だといえるでしょう。今後も日本の物価が下がり続けるのか、それとも下げ止まるのかについて注目しましょう。

こちらの記事では為替と海外旅行の関係について紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
【関連記事:円安のときの海外旅行は損する?得する?上手に旅する方法

シェア

ツイート

LINEで送る

Pocket

ブックマーク

CATEGORY :
政治経済の基礎知識

Copyright© 未来地図 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.