クールジャパンとは?戦略の狙い・見直し案・今後の課題などを紹介

シェア

ツイート

LINEで送る

Pocket

ブックマーク

和傘

「クールジャパン」という言葉を聞いたことはありますか?

空港やコンベンションセンターなどで、日の丸と桜にCool Japanと書かれた意匠を見たことがあるかもしれません。クールジャパンとは何か、戦略や課題について解説します。

クールジャパンとは

コスプレをしている女性2人組

クールジャパンの「cool」は、涼しいではなく「格好良い」との意味で使われています。つまり、海外から見て格好良い日本の文化やサービスは、すべてクールジャパンです。例えば、海外でも人気の日本のアニメやマンガは、クールジャパンを代表する文化の1つです。

また、日本の文化を単に見る・聞くだけでなく、文化を基にアクションする外国人も増えてきています。例えば、アニメのキャラクターに扮したり、アニメの舞台になった場所を巡ったりする行為は、日本だけでなく海外のアニメファンたちにも広まってきており、来日する動機の1つになっています。

クールジャパン戦略について

クールジャパンで日本の魅力を増し、インバウンド増加(外国人が日本を訪れること)や経済発展につなげることを「クールジャパン戦略」と呼びます。クールジャパン戦略は、次の3つのステップで実施されます。

<クールジャパン戦略の3ステップ>

  • 1.日本文化やサービスのブームを興す
  • 2.海外で日本文化やサービスを展開する
  • 3.インバウンドを振興させる

例えば、日本の食文化の1つ、日本産の酒類について見てみましょう。まずは日本のお酒のブームを興すために、国際空港で日本産のお酒のプロモーションをおこない、空港を利用する国内外の人々に日本のお酒の魅力を知ってもらいます。次は海外での展開です。海外に日本産の酒類を提供するお店を展開し、日本に行かなくても気軽に日本産のお酒を楽しめる土壌を作ります。

続いて国内展開です。日本国内では酒蔵を見学・試飲できるように開放し、外国語でのアナウンスやパンフレットを準備したり、観光案内所や旅行代理店から簡単に酒蔵ツアーに参加できるようにしたりします。

ブームを興す・海外展開・国内展開の3つのステップで、日本のお酒の魅力に目覚めた人々が、日本国内で日本の酒類にまつわる体験をすることができるようにつなげていきます。

クールジャパン戦略における政府の取り組み

クールジャパン戦略を実施するためには、業種や団体の垣根を超えて官民が協力する必要があります。政府では、クールジャパン官民連携プラットフォームを作り、アニメやマンガ、音楽、放送、ファッションなどのクールジャパンを、官民の食品産業や観光業、製造業、流通業などと結びつけるマッチング業務を推進しています。

また、クールジャパン戦略担当大臣を中心として、クールジャパン戦略に取り組む総務省や外務省、文部科学省、農林水産省、観光庁などの関連省庁が連携しています。それぞれの省庁でクールジャパン戦略に対する取り組みをおこなうだけでなく、協力し合ってクールジャパン戦略を盛り上げています。

クールジャパン戦略の見直しが19年9月から実施

富士山の日の出

官民・省庁を超えて実施してきたクールジャパン戦略ですが、2019年9月から大幅に見直しされます。今までよりも積極的に政府がクールジャパン戦略に関わっていくために、内閣府の副大臣をトップに据えたクールジャパン関係府省の連絡会議が廃止され、外務省の副大臣らで構成されるクールジャパン戦略会議が実施されます。

また、クールジャパンを単にインバウンド増加の手段として見るのではなく、日本の存在感や影響力を高めるものとして捉えることも、大きな見直しポイントの1つです。クールジャパンをきっかけとして日本に興味を持ち、特定の文化やサービスだけでなく日本の文化や風習全体の「深み」にはまっていくような流れを作ることも、クールジャパン戦略の骨子となります。

見直し案の主な特徴

クールジャパン戦略には、日本人だけでなく外国人も大勢関わっています。クールジャパン戦略を進めていく上では、「海外の人々が日本の何に魅力を感じるか」という視点が必要になりますので、外国人によるサポートは不可欠です。

見直し案では、クールジャパン戦略に関わる外国人の在留資格緩和の検討が含まれています。在留資格を緩和することで、日本に興味を持った外国人が長期滞在しやすくなるという効果も期待できるでしょう。

また、クールジャパンに対する意見を知るために、人工知能を活用してSNS上での日本への共感を計測することに取り組んでいきます。SNSから人々の声を収集することで、日本に居住する外国人の声だけでなく、海外に居住しながら日本に対して興味を持っている人や日本文化から何かしらのインパクトを受けた人の声も拾うことができるようになります。

外国人の在留・長期滞在に向けた施策は、外国人の移民、その先には外国人の参政権にもつながる要素があります。
外国人の参政権について関心がある人は、次の記事もぜひご覧ください。
【参考:外国人の参政権はどうなってる?メリットとデメリットも紹介

クールジャパン戦略で国内需要の増加も期待できる

クールジャパン戦略では、日本の地方や中小事業者にも目を向けていきます。日本の文化は、東京や京都などの海外からも知名度の高い都市だけで展開しているのではありません。地元以外の人は知らないような名所や風景、風習を発掘し、地元の中小事業者と連携して、海外からの観光客だけでなく日本人観光客にも情報を発信していきます。

さらに、交通アクセスや言語面のサポートを継ぎ目なく投入し、アトラクション感覚で海外からも国内の他地域からも訪れやすい場所に変化させていきます。

クールジャパン戦略の今後の課題

日本から世界に向けての情報発信イメージ

クールジャパン戦略を進めていく上で、今後改善すべきいくつかの課題があります。とりわけ、日本の文化やサービスへの「共感」が共有されていない点が挙げられます。クールジャパンの1つ1つの要素に対する知名度が上がっても、共感を得られないならば、単にブームとして終わってしまいます。クールジャパンがブームではなく恒久的に魅力を発信するものとなるためにも、外国人から共感を得、得た共感を共有することが必要になるのです。

また、クールジャパンやクールジャパン戦略に関する情報発信手段がデジタル対応できていない部分が多いという点も課題の1つです。デジタル化時代に対応した情報発信をおこなうことで、クールジャパン戦略が推進しやすくなるだけでなく、効率よく世界のさまざまな場所に情報を届けることができるようになるでしょう。

そのほかにも、クールジャパンを紹介する日本人が、クールジャパンの魅力に気付いていないという点も挙げられます。クールジャパンに関わるすべての人が、単に表面的な情報を理解するだけでなく、文化的な背景なども含めた深い知識を持つ必要があるでしょう。

クールジャパン戦略の見直しも含め、今後の動向に注目

ニッポンが海外の人々から魅力的な国になるためにも、既存の文化やサービスの魅力を再発見し、積極的に紹介していくことは欠かせません。

政府が主導するクールジャパン戦略の見直しも含め、一人ひとりが日本の文化やサービスに対して興味を持って理解を深めていくことが必要と言えるでしょう。

シェア

ツイート

LINEで送る

Pocket

ブックマーク

CATEGORY :
政治経済の基礎知識

Copyright© 未来地図 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.