国民投票って何だろう?仕組みや実施時期を紹介

シェア

ツイート

LINEで送る

Pocket

ブックマーク

国民投票って何だろう?仕組みや実施時期を紹介
平成19年5月、日本国憲法の改正手続に関する法律(憲法改正国民投票法)が公布され、憲法改正の最終段階が国民の手に委ねられることになりました。国民投票とはどのような仕組みなのか、また、いつ実施されるのかについて解説します。

国民投票とは

国民投票とは
国民投票とは、その名の通り、国民による投票で物事が決まる仕組みのことを指します。とりわけ、「日本国憲法の改正手続に関する法律(憲法改正国民投票法)」においては、日本国憲法の改正の際に実施される国民投票のことを指します。

なお、「日本国憲法の改正手続に関する法律」は日本国憲法第96条に基づく法律です。日本国憲法第96条では、憲法の改正は各議院の3分の2以上の賛成を得、国民投票において過半数の支持を得る必要があると定められており、「日本国憲法の改正手続に関する法律」でも同様に定められています。

国民投票が実施された場合には、特定の項目に関して賛成の投票の数が投票総数の2分の1を超えると承認が決定します。賛成の投票数が投票総数の半分を超えない項目に関しては、承認されません。投票権は衆議院議員選挙などの普通選挙と同じく満18歳以上となっています。

選挙との違い

通常の選挙は、候補者や政党を選びます。各候補者の主張や政党のマニフェストを聞き、また、過去の実績や将来的な期待も併せて考慮して、候補者や政党のなかからふさわしいと思われるものを選びます。

一方、国民投票では政策そのものを選びます。国民投票に問われる政策が提示され、賛成できるものに賛成の意思表示をします。賛成の意思表示ができる政策の数は決まっていませんので、政策が複数あって賛成できる政策も複数あるときは、すべての政策に賛成の意思を示しても問題ありません。反対に、賛成できる政策が1つもないときは、すべての政策に賛成しかねる意思を示すこともできます。

選挙制度について詳しく知りたい方は下記記事をぜひご覧ください。
【関連記事:日本の選挙制度についておさらい!国会議員から地方議員まで

国民投票が行われる日

国民投票が行われる日

安倍晋三首相は、2019年7月21日、民放テレビで日本国憲法の改正手続に関する法律に基づく国民投票を首相としての任期中に実施したい旨を述べました。安倍晋三首相の自民党総裁としての任期が終了するのは2021年9月ですので、約2年を目途に国民投票の準備を進めていくことになります。

なお、憲法改正のための国民投票は、国会において憲法改正の発議がおこなわれてから実施されます。憲法改正の発議は衆参両院において3分の2以上の合意を得なくては成立しませんので、自民党だけでなく複数の党や派閥を超えた連携が必要となるでしょう。

国民投票の流れ

国民投票の流れ

国民投票は、政策そのものが民意に沿っているのかを直接国民に問う行為です。なかでも憲法改正のための国民投票は日本国憲法を変える行為ですので、慎重に実施される必要があります。おおまかな流れは以下の通りです。

<憲法改正案原案発議から国民投票実施までの流れ>

  1. 憲法改正案の原案が発議される
  2. 憲法改正の発議が実施される
  3. 国民投票が実施される
  4. 開票後、結果が告知される

憲法改正の発議

最低でも衆議院議員100人、参議院議員50人の賛成を得たうえで、憲法改正案の原案が発議されます。原案は衆参各院に設置された憲法審査会で審査され、本会議で吟味されます。

憲法改正案の原案が衆参各院の本会議において出席した議員の3分の2の賛成を得られるときは可決です。可決されると国会が憲法改正の発議をしたとみなされ、憲法改正の国民投票へと進みます。

なお、憲法のなかに改正を求められる箇所が複数あるときは、それぞれ別個の事項として発議されます。国民投票においても、別個の事項として賛成か否かを問われます。

国民投票の期日

国会で憲法改正が発議されてから60日以後180日以内に国民投票が実施されます。具体的な「国民投票の期日」は国会で決定され、官報においても告知されます。

なお、投票人決定の際に重要な意味を持つのが「登録基準日」です。登録基準日は、憲法改正の発議があってから10~130日後の特定の日を指します。

登録基準日の時点において市区町村の住民基本台帳に記されている満18歳以上の年齢の日本国民で、なおかつ投票資格を有する人が投票人に決定します。また、登録基準日時点ではいずれの市区町村の住民基本台帳にも記録されず、登録基準日の翌日から14日以内に市区町村の住民基本台帳に新たに記録された投票資格を有する人も投票人に含まれます。

登録基準日の50日後が憲法改正のための国民投票の期日です。官報以外でもさまざまなメディアを使って国民投票日が告知されます。また、元々の憲法と憲法改正案、憲法改正案に対する賛成意見、反対意見などの情報が「国民投票広報」として文章でまとめられ、投票人が居住する世帯ごとに国民投票日の10日前までに配布されます。

投票

憲法改正案に賛成するときは、投票用紙に記された「賛成」の文字を〇で囲みます。反対の意思を表示するときは、「反対」の文字を〇で囲みます。憲法改正案が複数あるときは、改正案ごとに「賛成」か「反対」の文字を〇で囲みます。

国民投票
<画像引用:総務省>

国民投票日当日に投票できない場合は、期日前投票と不在者投票、在外投票のいずれかの手段で投票日の14日前から投票できます。期日前投票とは、市区町村ごとに設けられる期日前投票所で通常の投票と同じ方法で投票することです。

また、不在者投票とは、長期入院や施設への入所をしている方は特定の病院や施設で、定められた投票所に行くことが難しい方は郵便等で投票することです。日本に居ながらも投票所に出向くことが難しい方が利用します。

一方、在外投票は留学や仕事などで海外に居住している方が利用できる投票制度です。郵便や在外公館を活用して、投票を実施します。

開票と結果の告示

投票が終了すると開票作業が始まります。できるだけ多く国民の意思を汲み取るために、賛成の文字を〇で囲んだものだけでなく、反対の文字を二重線や×印で消したものも賛成票として扱います。また、そのほかの手段を用いて明らかに賛成である意思を示している票に関しても、賛成票とみなします。

反対に、賛成の文字を二重線や×印で消したものも、反対の文字を〇で囲んだものと同様、反対票として扱います。明らかに反対の意思を示している票に関しても、投票人の意思を汲み取って反対票とみなします。

集計された結果は、官報で告示されます。また、ニュースなどでも取り上げられますので、注目しておきましょう。

国民投票と憲法改正のゆくえを見守ろう

国民投票は、国民が政治に直接参加し、憲法改正の最終段階を国民の意思によって遂行するための手段です。投票人1人1人に与えられた権利ではありますが、「改正内容をしっかりと把握して投票する」という義務も伴います。投票日までに改正案の内容や賛成意見・反対意見を深く理解しておきましょう。

日本国憲法の三原則の一つである基本的人権についての記事です。
興味のある方はぜひどうぞ。
【関連記事:基本的人権の尊重とは?意味や種類をわかりやすく解説

シェア

ツイート

LINEで送る

Pocket

ブックマーク

CATEGORY :
政治経済の基礎知識

Copyright© 未来地図 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.