国会議員の特権とは?憲法で保障された3つの権利と優遇を紹介

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国会議事堂

国会議員には議員活動を円滑に進めるためにさまざまな特権が与えられています。

また、議員報酬だけでなく費用支給制度や優遇措置があり、金銭的な特権も多いです。

憲法で保障された3つの権利と優遇措置をまとめて紹介します。

国会議員の特権は議員活動を守るためにある

政治家のパーティー

憲法では、不逮捕特権と免責特権、歳費受領権の3つの特権が保障されています。

いずれの特権も、国会議員が議員としてスムーズに活動をすること、とりわけ国会を円滑に進めることを目的として定められています。

<国会議員の3つの特権>

特権名特権の内容
不逮捕特権
  • 議院における国会議員としての発言については、
    刑事責任・民事責任ともに問われない
  • 国会会期前に逮捕された議員は、議院の要請があるときは
    会期中に限って釈放される
免責特権
  • 議院における国会議員としての発言については、
    刑事責任・民事責任ともに問われない
  • 大臣としての演説などの発言については、
    刑事責任・民事責任に問われることがある
歳費受領権
  • 国庫から議員報酬を受け取れる

国会議員の特権1.不逮捕特権

手錠をかけられたスーツの男性

憲法で保障された国会議員の特権の1つ、不逮捕特権とは、国会会期期間中は逮捕されないというものです。

ただし、逮捕する正当な理由があり、逮捕の手続きが整っているときは、国会期間が終了すると速やかに逮捕されます。

また、国会会期前に逮捕された場合であっても、議院から国会に参加するようにとの要求があるときは、国会会期中に限って釈放されて国会に出席できます。

国会出席のために釈放された場合も、当然のことではありますが、国会期間が終了すると速やかに逮捕されます。

不逮捕特権は何故あるのか

不逮捕特権は、政府の不当な干渉によって国会の意思決定がねじ曲げられないようにするためです。

例えば政府が提出したある法案が反対議員の方がわずかに多く不成立になりそうな時、反対勢力に犯罪容疑を逮捕することで法案成立をさせてしまう、というようなことを不逮捕特権により防ぐことができます。

国会は国会議員が議員同士で意見を交換する場であるだけでなく、テレビ中継などを通して国民にも国会議員の意見を表明する場でもあります。

しかし、「逮捕」という手段によって、自分自身や支持する政党とは異なる意見を持つ国会議員の活動を封じ込めようとする動きがないとは言い切れません。

不逮捕特権が国会議員に認められていることで、どんなに権力を有する人であっても、国会議員の行動を「逮捕」によって妨害できないようになっているのです。

不逮捕特権の例外

国会会期中であっても、国会議員が現行犯で取り押さえられたときは逮捕されます。

例えば国会議員が万引きをし、その場で取り押さえられたときは、国会会期中かどうかに関わらず逮捕されます。

また、国会議員が所属する議院に対して、法務大臣が逮捕の許諾を請求し、議院が許諾した場合も逮捕されます。ただし、議院が逮捕を許諾しない場合は、国会会期中に限り、逮捕は遂行されません。

国会議員の特権2.免責特権

国会議事堂内の議長席周辺

国会議員の持つ特権の1つに、免責特権があります。免責特権とは、議院における国会議員の発言や討論、表決についての責任は議院外では問われないということを指します。

例えば討論中に感情のコントロールが難しくなり、思わず相手や第三者の名誉を棄損するような発言をしてしまったとしても、その発言を基に院外において名誉棄損で訴えられることはありません。

ただし、院内においては責任を問われ、処罰の対象になることがあります。

免責特権の例外

国会議員としてではなく大臣としての発言や討論、表決については、議院内の発言であっても院外において責任を問われます。内容によっては民事責任や刑事責任の対象となり、損害補償や罰金刑、禁固刑を科せられることもあります。

また、国会議員が院外でおこなった発言や討論、表決については、国会会期中かどうかに関わらずすべて有責です。

例えばテレビの討論会で特定の人物や団体を侮辱する発言をした場合は、民事責任や刑事責任を問われることがあります。国会内での発言とまったく同じ発言をテレビでおこなったとしても、内容によっては民事責任あるいは刑事責任の対象となるのです。

国会議員の特権3.歳費受領権

茶封筒に入った大量の一万円札

国会議員としての活動をおこなうために、国会議員には歳費受領権が与えられています。歳費とは給料のことで、「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」の第一条では、月額1,294,000円を受け取れると定められています。なお、参議院議長と衆議院議長の月額歳費は2,170,000円、各福議長の月額歳費は1,584,000円です。

歳費は選挙で当選して国会議員に就任した日から、繰上補充のために国会議員に就任した場合は当選が確定した日から支払われます。滞りなく歳費が支払われることで、余剰財産や活動資金がない国会議員も滞りなく議員活動をおこなうことが可能になります。

また、歳費以外に期末手当も受け取ります。期末手当とは一般企業のボーナスに該当し、6月と12月に支給されます。なお、平成30年度12月に支給された衆議院議長と参議院議長の期末手当は平均559万円、国会議員の期末手当は平均333万円でした。

歳費以外の優遇例

国会議員が受け取れるお金は歳費と期末手当だけではありません。
議員活動を円滑かつ精力的におこなうために、交通費をはじめ、さまざまな費用が支給され、優遇制度が実施されています。

<国会議員が受領できる歳費以外の費用や優遇措置>

費用名・優遇措置名内容
文書通信交通滞在費通信や交通に使用するための費用で非課税。月額100万円支給
滞在費も都内の一等地に議員宿舎が用意されており、月数万円の家賃で住むことが可能。
立法事務費立法に関する調査研究のための費用。
会派に所属する国会議員1人あたりに月額65万円支給
雑費議会内の役員や特別委員長、会長が受け取れる費用。
国会会期中のみ日額6,000円を上限として支給
特殊乗車券、航空券JRの無料パスポートが受け取ることができ、国内線の航空運賃が無料になる
秘書の給与国会議員1人あたり3人までの秘書の給与は国庫から支払われる。
秘書の給与は勤続年数によって異なるものの、
平均600~1,000万円なので、実質年額1,800~3,000万円の優遇

かつて、10年以上議員を務めれば退職後に議員年金も支払われていましたが、2006年4月1日に制度が廃止されています。
しかし現在は議員年金が復活方針を示しており、政府の今後の動きに注目が集まっています。

基本的な費用だけでも年間3,000万円以上

立法事務費に関しては国会議員に直接支払われるのではなく、政党や党派に支払われます。しかし、政党や党派に所属していない国会議員でも、立法事務費を受け取ることが可能です。

たとえば、政治資金規正法に基づく政治団体の届出を済ませているときは、政治団体に所属する国会議員が1人のみであっても立法事務費は支払われますので、政治資金として活用できます。

一方、立法事務費以外の費用は、国会議員にとって直接的な金銭的優遇措置となります。金額が明確な歳費と期末手当、文書通信交通滞在費だけを合計しても3,000万円を軽く超えますので、日本の国会議員に支払われる金額は決して少なくはありません。

国会議員や政治家への歳費・給料に対して興味を持たれた人には、以下の記事もおすすめです。
【参考:国会議員の給料はいくら?主な使用内容や地方議員・外国との比較
【参考:政治家の給料はいくら?国会議員・地方議員・外国の議員の詳細を調査

国会議員の特権を知って権利にふさわしい政治家に投票しよう

国会議員には、大きな権利や特権が与えられています。どの権利や特権も、国会議員としての職責をまっとうするために必要なものです。

私たち有権者は、各候補者に関する正しい情報を入手し、本当に権利や特権にふさわしい人物なのかを厳しく見極めてから投票する義務があると言えるでしょう。

選挙・投票に関しては、以下の記事にくわしく載っていますので、ぜひご覧ください。
【参考:日本の選挙制度についておさらい!国会議員から地方議員まで
【参考:18歳選挙権のメリット・デメリットとは?国・社会と投票者の両観点

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政治経済の基礎知識

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