沖縄の「子どもの貧困」問題!全国平均の約2倍である原因と対策

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沖縄の海

子どもの貧困が社会問題になっています。中でも沖縄県では子どもの貧困率が全国平均の約2倍と高く、より一層深刻な問題として受け取られています。沖縄における子どもの貧困の原因と国や自治体、民間レベルでの取り組みについてまとめました。

沖縄は「子どもの貧困率」が全国平均の約2倍

貧しい子ども

子どもの貧困率とは、17歳以下の子ども全体における等価可処分所得が貧困線に満たない子どもの割合のことです。貧困線とは全体の等価可処分所得の中央値の半分の数値のことで、貧困線を下回ると最低限の生活を維持できない可能性が高くなります。

内閣府の調査「子供の貧困に関する指標(沖縄県の状況)」によりますと、平成26年度の沖縄県の子供の相対的貧困率は29.9%で、全国平均(13.9%)の約2.2倍もの高い割合を示しています。つまり、沖縄県において、貧困状態にある子供は他の都道府県の2倍以上の割合と言えるのです。

貧困による影響

子どもの貧困率と進学率は無関係ではありません。義務教育とは異なり大学や短大、専門学校は授業料や入学金、施設利用料がかかるため、生活に余裕がない家庭では費用を捻出できないことがあります。もちろん奨学金を借りて進学することも可能ですが、返還義務のある奨学金を利用する場合は卒業後に返済が始まるため、奨学金を借りていない人よりは卒業後の生活が厳しくなってしまいます。

一方、高校卒業後に進学しないという選択肢を選ぶならどうでしょうか。奨学金の返済義務はありませんが、大学や短大を卒業している場合よりも就職先が限られるため、入社時の収入が低くなるだけでなく生涯年収も低くなる可能性があります。

沖縄県の大学・短大進学率(平成28年5月時点)は39.2%で、全国平均の54.7%よりも15%以上も低いです。また、高校への進学率は96.5%と、全国平均の98.7%よりもわずかではありますが低くなっています。

沖縄の「子どもの貧困率」が高い原因

ビンの中の小銭

平成25年度の沖縄県民の1人当たりの所得は年間210.2万円と、全国平均の1人当たりの所得306.5万円の約3分の2です。全体的な賃金が低いことも、沖縄県の子どもの貧困率が高い原因の1つと言えるでしょう。

また、平成22年度の母子世帯の割合が2.7%(全国平均は1.5%)と全国でもっとも高いことも沖縄県の特徴の1つです。母子家庭や父子家庭は両親がいる世帯と比べると働き手が少ないために、どうしても収入が低くなる傾向にあります。特に女性の平均収入は男性の平均収入よりも低いため、母子世帯は共働き世帯や父子世帯より世帯所得が低くなることが多いのです。

しかも、平成25年11月時点の沖縄県の母子家庭の世帯所得は年間259万円で、全国平均の母子家庭の世帯所得(年間291万円)よりも低い水準となっています。そのため、他の都道府県の母子家庭よりも貧困状態にあることが多く、子どもの貧困率の高さにも大きな影響を与えています。

公的支援を受けていないことも貧困の一因

沖縄県は母子家庭の割合が47都道府県中もっとも高く、県民所得は47都道府県中もっとも低いです。そして、子どもの貧困率に関しては、全国平均の2倍以上の高さを示しています。本来ならば、公的支援をもっとも活用しなくてはならない地域と言えるでしょう。

しかし、平成28年1月時点の生活保護率の高さは47都道府県中5番目、就学援助率の高さは9番目と、公的支援の活用率は決して高くはありません。沖縄県の子どもの貧困率が高い一因として、公的支援の対象となっている人が充分に制度を活用できていない可能性も考えられるのです。

沖縄の貧困問題への対策

草むらで遊ぶ母子

沖縄県の貧困問題、とりわけ子どもの貧困率が高いことは、決して放置して良い問題ではありません。貧困家庭で育つと充分な教育を受けられない可能性が高くなり、充分な教育を受けられないと低収入の仕事にしか就けない可能性が高くなるため、貧困が連鎖します。

貧困が連鎖すると、国内の経済格差はますます広がり、日本自体が暮らしにくい国になってしまうでしょう。貧困の連鎖を断ち切るためにも、国や自治体、そして民間レベルで沖縄の貧困問題に立ち向かう必要があるのです。

国・自治体の取り組み

国は平成26年1月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」を施行し、子どもの貧困率を軽減するための理念と国や地方自治体単位で取り組むべき責務について定めました。子どもの貧困対策の推進に関する法律では、次の4つの支援を柱としています。

<子どもの貧困対策の推進に関する法律の4つの柱>

  • 教育の支援
  • 生活の支援
  • 保護者に対する就労の支援
  • 経済的支援

教育の支援では、教育費を支援するだけでなく、きめ細かな学習指導による学力支援にも取り組みます。また、大学進学時の奨学金において、無利子の奨学金の適用枠を増やすことも検討されています。

生活の支援には、保護者の自立支援や子どもの居場所づくりが含まれています。児童福祉関係者や関連機関、教育委員会などの子どもと密接な関係にある機関が連携し、子どもが健全に発育できる環境を作っていきます。

また、保護者に対する就労の支援では、就職をあっせんするだけでなく、保護者の学び直しや在宅ワークの支援推進も進めています。単に就労を目的とするのではなく、就業のためのスキルを身に着けるといったさまざまな環境下で収入を得られるための支援を展開していることが特徴です。

公的支援制度の紹介

沖縄県の貧困率の高さに比べると、公的支援制度の活用度合いは低いと言わざるを得ません。子どもの貧困対策の推進に関する法律の柱の1つである「経済的支援」には、補助金や貸付制度などの公的支援制度の存在を対象者に紹介し、利用できるようにサポートすることも含まれています。

実際に、就学援助を必要としながらも就学援助制度を知らないために利用しなかったと回答している保護者が多く、沖縄県は制度の周知が必要な状況にあると言えます。また、制度を知っていても周囲の目が気になって申請しなかったと回答している保護者も少なくなく、就学援助制度を利用する際の心理的ハードルを低くすることも緊急課題であることが分かります。

NPO法人の取り組み

例えば、一般社団法人大学コンソーシアム沖縄は、子どもの居場所を確保するボランティア活動を実施しています。学生ボランティアが子どもの身近なお兄さん・お姉さんとなり、子どもに寄り添い、安心感を与えることを目的としています。なお、大学コンソーシアム沖縄では、内閣府から沖縄県に交付された事業補助金を受け、沖縄県からの業務委託を受けて活動しています。

沖縄の貧困から子供たちを救うためにできること

未来を作るのは子供たちです。子どもの貧困率が高いということは、未来の日本が危ないということを意味しています。沖縄の貧困から子供たちを救うために、まずはニュースに敏感になって子どもの貧困に関する情報を入手し、個人ができることを探っていきましょう。

貧困問題に関心がある人には、生活保護に関する以下の記事もあわせてお読みください。
【参考:生存権と生活保護の関係|健康で文化的な最低限度の生活を送るために
【参考:シングルマザーでも受けられる!生活保護に必要な条件とは

また、沖縄の状況に関して興味がある人には、沖縄基地問題に関する以下の記事もおすすめです。
【参考:沖縄基地問題をわかりやすく解説!ポイントを理解すれば簡単

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