WTO協定とは?内容や日本への影響などをわかりやすく解説

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昨今、ネットニュースや新聞などのメディアで頻繁に目にする「WTO協定」。

WTOとは、国際機関である世界貿易機関(World Trade Organization)のことですが、WTO協定とは何を指しているのでしょうか?

また、WTO協定が日本にどのような影響を与えるのかについても見ていきましょう。

WTO協定とは

【WTO-協定】02_港のコンテナ群

WTO(世界貿易機関)は、生活水準の向上や資源の活用、貿易の拡大等を目指す、1995年に設立された国際的な機関です。

貿易によって市場経済を円滑にして、世界の経済がさらに発展することを目的としています。

WTO協定とは、WTOの目的を達成するための協定で、貿易の障害となる関税を軽減し、国際貿易差別を廃止していくために締結されます。

WTO協定の原則は主に以下の4つです。

WTO加盟国はWTO協定にも同意をしたものとされ、WTO協定を遵守した貿易を加盟国間で実施しなくてはいけません。

WTO協定の原則内容
最恵国待遇原則特定の国に、低い関税などの貿易に有利な条件を適用するときは、他のWTO加盟国にも同様の条件を適用すること
内国民待遇原則輸入品に内国税や法令を適用するときは、同種の国内品に適用する税や法令よりも不利にならない条件を適用すること
数量制限の一般的廃止の原則関税などの課徴金以外の禁止や制限によって、数量制限をしないこと
関税にかかる原則合法的な国内産業保護手段としての関税は認められるが、相互的かつ互恵的に関税減少を図ること

WTOとGATTの違い

第二次世界大戦が起こった原因はいくつかありますが、その中の1つとして、世界経済のブロック化が進んだことを挙げられます。

国々が過剰な自国産業保護政策に走ったことで経済格差が拡大し、武力行使に訴える国も出てきたのです。

経済のブロック化を解消するために、1948年、GATT(関税および貿易に関する一般協定)が発足しました。

GATTでは、特定の国に恩恵を与えるといった偏りのある待遇を廃止し、また、国内品だけに有利な税制度の設定を解消するなど、公平な貿易を実現するための基本的なルールを制定しています。

日本も1955年にGATTに加入し、貿易の自由化促進に向けた国際的な関係を築いてきました。

しかし、GATTは国際機関ではなく一時的な組織として運営されていたため、不具合も多くありました。

1986に開始されたウルグアイラウンド交渉により、GATTより強固な実行力のある国際機関を望む声が高まり、1994年にWTOの設立が合意され、翌1995年に組織として誕生しました。

WTO協定で強化された体制

GATTと同じくWTOは貿易不均衡を解消するための組織ですが、いくつかの部分において、GATTよりも強い拘束力を持ちます。

まず、農作物や繊維といった特定の物品の貿易に関しては、GATTで定められた貿易ルールよりも強化されています。

また、国際貿易のルールについても、GATT協定よりも内容が拡大・充実しています。

GATTの設立時点では貿易といえば物品がメインでしたが、現在ではサービスの貿易も増えてきました。

WTO協定ではサービスの貿易や知的所有権、投資に対するルールも取り決め、公平性を保って国際間の取引が実施されることを目指します。

さらに、WTO協定では、貿易紛争を解決する手続きについても取り決めています。

加盟国内では統一された方法で貿易紛争を解決すること、一方的な措置を発動しないこと、トラブルが起こったときにはWTO内の上級委員会を通じることを定め、万が一の事態にも備えられるようにしています。

WTO協定税率について

経済が発展し、発言力が強い国が一方的に税率や貿易のルールを決めてしまうと、貿易の不均衡が起こります。

富める国はますます富を増やし、貧しい国はさらに貧しくなる恐れがあるのです。

WTOでは特定の国が貿易に関するルールを一方的に定めることがないよう、貿易に関するルールや税率を定めています。

WTO加盟国においては、国内法に基づく基本税率とWTOが定めるWTO協定税率が異なるときは低いほうの税率を採用し、国際間の貿易が阻害されることがないようにしていきます。

WTOの原則的ルール「最恵国待遇」

【WTO-協定】03_スーツ姿の男性・手の上の地球

WTOの4つのルールの中の「最恵国待遇」は、すべてのWTO加盟国を最恵国として扱うことを原則としています。

特定の国に有利な税率を適用したり、貿易上の特典を与えたりするのではなく、すべての国に同程度に有利な税率を適用し、特典を与える必要があるのです。

しかし、WTOに加盟している国なら、すべての国にどんな場合でも最恵国待遇を与えなくてはいけないというわけではありません。

最恵国待遇には例外となるケースが存在します。

最恵国待遇の例外となるのが「EPA等の経済連携」による関税

WTOによって多角的な貿易体制を維持するために、最恵国待遇の例外が設けられることがあります。

また、最恵国待遇を実施することが他国の貿易に不利益を与えるときや貿易相手国の経済発展段階に合致していないときも、最恵国待遇の例外が認められるケースが多いです。

例えば2ヶ国以上の国や地域で自由貿易協定(FTA)を締結しているときは、自由貿易協定自体が貿易や投資の拡大を目指すものである以上、WTO協定より優先され、最恵国待遇の例外になることがあります。

その他にも、2ヶ国以上の国や地域で経済連携協定(EPA)を締結しているときも、経済協力によって貿易や投資の拡大を目指す以上、WTO協定によって規定される以上の内容を包括しているとみなし、最恵国待遇の例外を適用します。

WTO加盟国と非加盟国

【WTO-協定】04_世界地図の上にミニチュア旅客機

国際機関であるWTOには2016年12月時点で164ヶ国が加盟し、21ヶ国が加盟作業中です。

日本と国交のある国は195ヶ国(本国あるいは第三国に日本の大使館が設置されている国)ですので、関わりのあるほとんどの国がWTOに加盟していることになります。

なお、以下の国や地域はWTOに加盟していません。

WTO非加盟国
エイトリア、ソマリア、東ティモール(加盟作業中)、北朝鮮、モナコ、サンマリノ、トルクメニスタン、キリバス、ツバル、ナウル、パラオ、マーシャル、ミクロネシア、南スーダン、コソボ、クック、ニウエ

2016年12月19日時点
<参考:外務省「WTOへの加盟」外務省「世界の国・地域」

WTO協定や貿易の動向から国際情勢が読み取れる

WTO加盟国を知ることで、国内政治の安定度や対外的な立ち位置といった国際情勢を読み取れます。

また、各国の貿易の動向から、経済情勢も知ることができます。

今後も、WTO協定関連のニュースや加盟国の動向に注目していきましょう。

貿易関連に関心を持つ人には、環太平洋地域の貿易や経済連携の取り決めをまとめた『TPP(環太平洋パートナーシップ協定)』についての記事もおすすめです。
【参考:TPP加盟国の一覧!参加各国のメリットや不参加国について解説

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