非正規雇用とは?働き方とメリット・デメリットについて解説

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飲食店のウェイター

新型コロナウイルスの感染予防のため、飲食業などのサービス業を中心に業務縮小が広がっています。

仕事がないために自宅待機を命じられるケースもありますが、非正規雇用の場合には給与補償がなく、生活が厳しくなることもありえます。

そもそも非正規雇用とは何なのか、メリットやデメリットについてまとめました。

非正規雇用とは

レジで客にレシートを渡す女性パート

非正規雇用とは、正規雇用以外の雇用を指します。

正規雇用とは「フルタイム(1日8時間・週5日など)」かつ「雇用期間に制限がない(定年退職は除く)」雇用形態のことですから、非正規雇用とは勤務時間や勤務期間に何らかの制限がある働き方を指します。

具体的には、次のような働き方の方が非正規雇用となります。

<非正規雇用に含まれる雇用形態>

  • 時給・日給で働くパートやアルバイト、フリーター
  • 派遣会社に登録している派遣社員
  • 雇用期間が決まっている契約社員
  • 企業からの仕事を請け負う在宅ワーカー

なお、正規雇用者はかならずしもフルタイムで働くとは限りません。

3歳未満の子どもを育てている場合には正規雇用のままで時短勤務も可能ですし、産休や育休などの長期休業を取得することも可能です。

非正規雇用が増える背景

近年、非正規雇用者として働く人が増えています。

総務省統計局の労働力調査によれば、現在、4割弱の労働者が非正規雇用者として働いています。

平成22年平成25年平成28年平成31年
正規雇用者3,374万人3,302万人3,367万人3,494万人
非正規雇用者1,763万人1,910万人2,023万人2,165万人
労働者中の非正規雇用者の割合34.3%36.6%37.5%38.3%

<参考:総務省統計局「労働力調査 正規,非正規の職員・従業員数の推移」

非正規雇用が増えている背景としては、女性や高齢者の就労が増えたことが挙げられます。

日本の人口は2004年12月にピークを迎えて以来、年々減少しています(※)が、上記の表からも分かるとおり労働者の人口は増えています。

専業主婦だった人や定年退職後の人が、時間的に自由度の高い非正規雇用として働くようになってきているのです。

(※:総務省「我が国における総人口の長期的推移」

人件費削減のために正規雇用をおこなわない企業も多い

企業が人件費削減のために、積極的に正規雇用をおこなわないことも非正規雇用者が増えている原因の1つです。

正規で社員を雇用すると賞与や福利厚生、社会保障(厚生年金保険料や社会保険料の半分を企業側が支払う)等の負担が企業側にかかるため、非正規雇用ばかりをおこなう会社もあります。

また、コンスタントに利益が上がらない場合に備えて、非正規雇用者を募集する企業も少なくありません。

経営が思わしくないときは雇用契約を打ち切りやすいように、積極的に有期雇用をおこなうケースもあるのです。

【非正規雇用と正規雇用】雇用形態による待遇の違い

現金と年金手帳

非正規雇用と正規雇用では、待遇も異なります。

とりわけ大きな違いとして、社会保険に関する待遇差が挙げられます。

非正規雇用正規雇用
労災保険加入加入
雇用保険条件による加入
健康保険条件による加入
厚生年金保険条件による加入

各種保険に加入していると、手厚い保障を受けられるようになります。

たとえば、勤務中にケガをした場合でも、労災保険に加入しているなら療養補償や障害補償を受給できるでしょう。

また、雇用保険に加入していれば失業時に基本手当が受けられるようになり、健康保険(社会健康保険)への加入で健康保険料の負担が半分になり、厚生年金保険への加入で年金保険料を会社と折半できるだけでなく老齢年金の受給額が増えるというメリットがあります。

労災保険に関しては在宅ワークを除く非正規雇用も適用されますが、その他の保険に関しては、労働時間や雇用期間によっては非正規雇用の加入は難しくなります。

万が一のことが起こったときに生活保障が受けられないだけでなく、健康保険料や年金保険料が増えたり、老後の年金受給額が減ったりするデメリットもあるのです。

非正規雇用のメリット・デメリット

非正規雇用のメリットとしては、次の3点が挙げられます。

<非正規雇用のメリット>

  • 労働時間を調整しやすい
  • 転勤がない
  • 業務範囲が一定

非正規雇用なら、たとえば「1日3時間・週2日」といった働き方も可能です。

子どもが幼稚園に行っているときだけ働く、親がデイサービスに行っているときだけ働くということも可能になります。

労働時間を短く調整して、他の非正規の仕事と掛け持ちすることもできます。

また、転勤がなく、業務範囲が決まっていることもメリットです。

<非正規雇用のデメリット>

  • 給与が不安定
  • 賞与や退職金を受け取れないことが多い
  • 社会保険制度を充分に活用できない

しかし、非正規雇用は雇用契約が無期限ではないことが多いため、「将来も現在と同程度以上の給与を受け取れないのでは」という不安を常に抱えます。

賞与や退職金がないことも多く、正規雇用と比べて報酬が少ないと感じる場合もあるでしょう。

また、社会保障も不十分で、老齢年金の金額が少なくなる傾向にあります。

正規雇用のメリット・デメリット

一方、正規雇用にもメリットとデメリットがあります。

メリットとしては、次の3点を挙げられます。

<正規雇用のメリット>

  • ライフプランを立てやすい
  • 賞与や退職金があることが多い
  • 福利厚生や保険制度が充実

正規雇用なら、出産・育児のために休業した場合でも職場復帰することが可能なため、「就職できなかったらどうしよう」という不安がなく、ライフプランを立てやすいです。

また、賞与や退職金などの金銭的なメリットや、福利厚生・保険といった保障面でのメリット、キャリアを追求できるというメリットもあります。

<正規雇用のデメリット>

  • 基本的にはフルタイムで働かなくてはならない
  • 転勤や業務範囲の変更がある
  • 残業を引き受けなくてはいけないケースが多い

子どもが幼いなどの特殊な事情を除き、基本的にはフルタイムで働かなくてはなりません。

介護や育児、健康がすぐれないときには、仕事を続けることが困難になる恐れがあります。

また、転勤を命じられたり、業務範囲が変更されたりする可能性もあります。

残業が必要なときに正社員は率先して引き受けなくてはならない点も、デメリットといえるでしょう。

就業規則と労働契約書はよく確認しよう

契約書とペン

誰でも、常に同じ状態で仕事に臨めるとは限りません。

自分自身の健康や育児、介護、配偶者の転勤・転職などのさまざま事情によって、働き方を変えなくてはならないときもあるでしょう。

何かが起こったときに慌てなくても済むよう、正規雇用・非正規雇用を問わず、就業規則と労働契約書はしっかりと確認しておいてください。

手元に資料がないときは庶務課や人事課に相談し、情報を入手するようにしましょう。

2020年4月から始まる「同一労働同一賃金」とは

オフィスで電話をする男性従業員

2020年4月1日から、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(略して、パートタイム・有期雇用労働法)の施行が決定しました。

「職場内で同じ労働に従事する社員は、正規・非正規にかかわらず同じ待遇を受けることを定める法律」で、不条理な待遇差の解消を目指しています。

違反している事業主は行政指導を受けることになり、早急な対応と問題の改善が求められます。

非正規雇用の特性を知った上で、自分にあった働き方を見つけよう

デメリットの多い非正規雇用ですが、メリットもあります。

どのような働き方を望むのかによって、自分に合った雇用形態を選ぶようにしたいものです。

また、どのような働き方であれ、就業規則と雇用契約内容をしっかりと把握しておくことは大切です。

時間があるときに、ぜひ読み直してみてください。
 
 
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