児童相談所とは?業務と役割についてわかりやすく説明

シェア

ツイート

LINEで送る

Pocket

ブックマーク

赤ちゃんと握手する児童相談所職員

児童虐待などの、子どもの痛ましい事件が起こるたび「児童相談所は一体何をしているのか!」という議論が沸き起こります。

しかし、そもそも児童相談所とは何をするところでしょう?

最寄りの児童相談窓口がどこにあるのか知らない、という人が多いのも現状です。

児童相談所の業務と役割、差し迫った問題点についてまとめました。

児童相談所とは

木に寄りかかる女児

児童相談所とは、都道府県や指定都市に設置されている行政機関です。

子どもを持つ家庭などからの相談に応じ、子どもに関係する問題やニーズ、環境を把握したうえで効果的な援助を図ることを目的としています。

簡単に言えば、児童相談所とは「子どもの福祉と権利を守るための活動をする場所」です。

なお、子どもの問題は、常に家庭から起こるとは限りません。

児童相談所では子どもを持つ親からの相談以外にも、地域住民や学校、子ども本人からの相談・通告も受け付けています。

児童相談所の業務と役割

児童相談所には、次の4つの役割と付随する業務があります。

児童相談所の役割業務内容
市町村への情報提供
  • 市町村に対して情報を提供する
  • 市町村間の情報共有
相談と専門的援助
  • 市民からの相談のうち、専門的な知識や技術が必要なものに関して、調査や診断を通して援助方針を定めて援助を実施
  • 必要に応じて関係機関と連携を図る
一時保護
  • 必要性があると判断した場合、子どもを家庭から話して一時的に保護する
指導・措置
  • 児童福祉司や児童委員などに子どもを指導させる
  • 児童福祉司や児童委員などに保護者を指導させる
  • 必要に応じて、子どもを児童福祉施設などに入所させる

<参考:厚生労働省「第1章 児童相談所の概要」

児童相談所には、親権者の親権喪失宣告や未成年後見人の選任・解任を、家庭裁判所に請求する権利があります。

どのような措置が正しいのかは、状況によって異なります。

児童相談所は、常に子どもの福祉を第一に考え、最善とされる措置をおこなわなくてはなりません。

無添加育毛剤イクオス

児童虐待における児童相談所の役割は?

笑顔でスキンシップしている母と娘

児童相談所には、日々さまざまな問題が持ち込まれています。

児童に関する相談事やトラブルは、すべて児童相談所の管轄内のため、以下のような幅広い案件に対応しています。

相談内容具体的事例
養護
  • 保護者の不在(失踪や服役、死亡、離婚など)について
  • 遺棄された児童や虐待を受けている児童について
保健・社会
  • 未熟児や虚弱児、その他、障害を持っている児童について
  • 運動や発育、発達の遅れについて
  • 不登校や学校教育、家庭内暴力について
  • 進学や就職における適性について
非行
  • 家出した子どもについて
  • 暴力問題・性的問題を繰り返す子どもについて
  • 犯罪行為をおこなう子どもについて
その他
  • その他、児童にかかわるあらゆる相談事

<参考:東京都福祉保健局「児童相談所のしおり 2018年(平成30年)版」

児童相談所に虐待相談をするとどうなるか

さまざまな児童関連の問題の中でも、特に子どもへ強い身体的・精神的ダメージをあたえるものが「虐待」です。

児童相談所では虐待相談を受けると、次の対応をおこないます。

虐待相談への対応具体的な内容
相談窓口の開放緊急時に対応できるように24時間開所している児童相談所が多い
他機関との連携必要に応じて、民間の相談機関・福祉機関と連携する
カウンセリング児童や保護者のカウンセリング。精神科医などの専門家が対応
家庭復帰家庭環境の改善を図り、必要に応じて子どもが家庭に戻れるようにする
里親制度との連携家庭復帰が難しいケースに関しては、里親を紹介する団体と連携して、子どもを受け入れる場を探す

児童相談所の実態と問題点

紙に書かれた右肩上がりの赤い矢印

平成30年中、全国212ヶ所にある児童相談所に寄せられた虐待関連の相談事は、約16万件にもおよびます。

以下の表からも分かりますように、虐待に関する相談件数は年を追って増えています。

平成24年度平成27年度平成30年度※
児童相談所への虐待相談件数66,701件103,286件159,850件

※速報値
<参考:厚生労働省「平成30年度 児童相談所での児童虐待相談件数<速報値>」

児童相談所に相談するトラブルは増えていますが、児童相談所自体が増えているわけではありません。

地域によっては対応がおろそかになることもあり、「意を決して児童相談所に相談したのに、対応してもらえなかった」というケースも少なくないのです。

また、児童相談所によって、相談員によって、対応が異なることも問題になっています。

「対応のよくない職員に追い返された」という報告もあり、援助を受けられなかったケースも報告されています。

その他にも、児童相談所の職員の過重労働や抱える案件の多さも問題になっており、機能不全に陥っている児童相談所もないとは言えないのです。

児童相談所建設における反対問題

児童相談所は、子どもに対しての相談事すべてに対応する行政機関です。

子育て中の親はもちろん、子ども自身や、子どもを見守る地域住民にとっても必要な機関のため、身近にあると助かる施設のはずです。

しかし、虐待問題がクローズアップされるにつれ、「虐待する親や虐待される児童、非行少年・非行少女の行くところ」「自分とは関係のない場所」という風に考える人も少なからずいるようです。

2018年10月には、港区が南青山に児童相談所等が入った家庭総合支援センターを作ろうとしたところ、地域住民から「街の品位を落とす」「地価が下がる」といった反発を受けるという問題が起こりました。

児童相談所は「子どもたちを幸せにするための場所」ということを国民みなが理解し、子どもが少しでも楽しく暮らせるために、児童相談所を含め、地域全体で見守っていくことを意識する必要があります。

児童相談所の今後の対策

虐待関連で児童相談所に協力する白衣の医師

増加する虐待問題に対し、児童相談所や担当職員、資格のある専門職員が不足しているのは紛れもない事実です。

児童相談所が機能不全に陥ってしまうことで、不利益を被るのは子どもです。

子どもの幸せのために、政府では平成31年3月に「児童虐待防止対策の抜本的強化について」を定め、児童相談所において以下の対策をおこなうように提案しました。

  • 一時保護などの介入をおこなう職員と支援をおこなう職員との仕事を分ける
  • 常時、弁護士による指導や助言が受けられる体制づくり
  • 医師・看護師の配置を義務づける
  • 児童相談所を第三者機関によって評価する
  • 児童福祉司を増やす
  • 児童福祉司の処遇・労働環境を改善する
  • 住民数などを考慮し、児童相談所の設置を促進する
  • 一時保護所の環境を、子どもが過ごしやすい場所に改善する

<参考:厚生労働省「児童虐待防止対策の抜本的強化について①(平成31年3月19日関係閣僚会議決定)」

児童相談所を最後の砦とせず地域の目で子どもを守ろう

子どもが幸せに暮らすために、児童相談所を設けることは必要なことです。

しかし、児童相談所を最後の砦とするのではなく、親自身が、そして地域全体が子どもを守り育てることが大切といえます。

子どもを持っている親だけでなく、子どもがいない方も、子どもやその親との関わり方を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
 
 
児童相談所関連で、次の記事もよく読まれています。

児童虐待の原因とは?親や子、家庭や周辺環境の要因から考える

子供7人に1人が貧困って本当!?日本の現状と対策

『未来地図』では、TwitterとFacebookからも情報を発信しています!

最新記事の投稿をお知らせしたり、記事にはない「時事ネタ」についても書いています。

ぜひご覧になって、フォローしてくださいね♪

★未来地図の公式【Twitter】は、こちらから!

★未来地図の公式【Facebook】は、こちらから!

シェア

ツイート

LINEで送る

Pocket

ブックマーク

CATEGORY :
用語の解説

Copyright© 未来地図 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.