独立行政法人とは?簡単にポイントをまとめ、わかりやすく説明

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独立行政法人とは?総務省の正面入口

『独立行政法人(どくりつぎょうせいほうじん)』という言葉を、ニュースなどで目にする機会があるでしょう。

「自分たちには関係ない」と思われる人もいるかも知れませんが、私たち一般の生活にも関わるものです。

知っておきたい社会教養のひとつとして、独立行政法人とは何か、わかりやすく解説します。

独立行政法人とは

「独立行政法人とは」と書かれた白板の前に立つ女性

独立行政法人とは「国から独立して、特定の行政の仕事をする法人」を指します。

「独法(どっぽう)」や「独行法人(どくぎょうほうじん)」と略されることもあります。

日本の『独立行政法人通則法』第2条第1項には、次のように規定されています。

<『独立行政法人通則法』第2条第1項>
この法律において「独立行政法人」とは、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人をいう。

<引用:独立行政法人通則法 - 総務省

”国から独立して”なので、元々は国の管轄下にありました。

1990年代後半、橋本龍太郎内閣が行政改革の一環として、中央省庁(1府12省庁)から現業・サービス部門を切り離して、独立行政法人の制度を作りました。

独立行政法人の関係性

<引用元:総務省|独立行政法人評価ページ

独立行政法人の在り方や業務内容も「独立行政法人通則法」で規定されています。

通則法の第2条では、「独立行政法人とは、国民生活と社会経済の安定を実現するために、公共性の高い業務を行う法人」となっています。

独立行政法人にはどんなものがある?

「独立行政法人」と聞いても、イメージが湧きにくいと感じる人もいます。

しかし、具体的にどのような独立行政法人があるかを知ると、身近に感じられるようになりますので、一例を表にまとめました。

独立行政法人の一例
独立行政法人の名称説明所管する府省庁
国民生活センター国民生活の安定と向上を図る消費者庁
国立公文書館歴史資料や重要な公文書などの適切な保存・公開・利用を図る内閣府
国立印刷局紙幣や切手などを印刷財務省
造幣局硬貨の製造、勲章・褒章の製造など財務省
JAXA(宇宙航空研究開発機構)人工衛星等の開発・打上げなどの宇宙開発関連文部科学省
日本学生支援機構奨学金事業や留学支援など文部科学省
都市再生機構都市の整備改善、賃貸住宅の供給支援など国土交通省
高齢・障害・求職者雇用支援機構高年齢者や障害者の雇用支援など厚生労働省

2017年時点では、87の独立行政法人が設立されています。

造幣局を例にあげて独立行政法人を説明

造幣局を例にあげて独立行政法人を説明

例えば、独立行政法人のひとつに造幣局があります。

民間に貨幣の製造を依頼すると、業者ごとに別の貨幣を作る恐れがあったり、統一貨幣を作るとしても品質にばらつきが生じる恐れがあったります。

しかし、貨幣の製造といった大事業を、財務省内の部や課で実施するのは困難です。

そこで、造幣局が独立行政法人として貨幣の製造を請け負うことで、製造業務に専念できる体制を作り、安定品質の貨幣を供給できるようにしています。

独立行政法人としての条件

独立行政法人としての条件

独立行政法人は、「公共性の高い仕事の中で、民間が自発的に実施するとは限らない仕事」を請け負う法人です。

次の条件にあてはまる事業が、独立行政法人となります。

  • 公共性がある
  • 国が必ずしも自ら主体となって実施する必要がない
  • 民間が自発的に実施するおそれがあるもの
  • ひとつの主体に独占して行わせることが必要であるもの

行政が直接、府省内で業務を実施するのではなく、別組織の法人として業務を実施することで、作業効率と質の向上が図れ、自主的な運営、業務の透明性も図れます。

独立行政法人の職員の身分

職員の身分

独立行政法人の職員は、公務員法は適用されないものの、公務員と同等の待遇が受けられる「準公務員」です。

採用されるためには、準公務員試験を受けなくてはなりません。

ただし、国の行政事務を直接実施する行政執行法人の職員は国家公務員です。

各行政執行法人への採用を希望する方は、独立行政法人の本部がどの地方にあるかに関わらず国家公務員試験を受け、合格しなくてはなりません。

【独立行政法人】の基本ポイント

  • 独立行政法人とは「国から独立して、特定の行政の仕事をする法人」(元々は国の管轄下にあった)
  • 2017年時点で、独立行政法人は87あり、一般生活にも関わる働きをしている
  • 独立行政法人は、「公共性の高い仕事の中で、民間が自発的に実施するとは限らない仕事」を請け負う
  • 独立行政法人の職員は「準公務員」(ただし、行政執行法人の職員は国家公務員)
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独立行政法人は3種類ある

国立公文書館の正面

独立行政法人は以前(2015年3月まで)、特定独立行政法人とそれ以外の法人(非特定独立行政法人)に分けられていました。

現在は、業務内容や目的達成までの期間によって、次の3つに分けられます。

  • 中期目標管理法人
  • 国立研究開発法人
  • 行政執行法人

独立行政法人の種類1.中期目標管理法人

中期目標管理法人は、主務大臣が3~5年程度の中期的な目標を策定します。

その目標に基づいて、法人が中期計画を作成し、主務大臣の認可を受けて業務を実施します。

予算も中期的に組んで管轄の大臣に届け出て、公式サイトなどを通じて公表しなくてはなりません。

管轄名称略称、愛称
外務省国際協力機構JICA(ジャイカ)
総務省郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構郵政管理・支援機構
国土交通省都市再生機構UR都市機構
消費者庁国民生活センター-
文部科学省日本学術振興会-
大学入試センター-
日本学生支援機構JASSO(ジャッソ)
厚生労働省医薬品医療機器総合機構PMDA、パンダ
福祉医療機構WAM
勤労者退職金共済機構-
労働者健康安全機構-
国立病院機構NHO
経済産業省石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC
中小企業基盤整備機構中小機構
日本貿易振興機構JETRO
農林水産省農林漁業信用基金AFFCA, 信用基金
国土交通省国際観光振興機構JNTO

独立行政法人の種類2.国立研究開発法人

国立研究開発法人とは、化学試験や研究、開発を主業務とする独立行政法人です。

目標や計画は5~7年程度の中長期的視点に基づいて立てられます。

もちろん独立行政法人ですので、管轄の大臣によって目的が定められ、科学技術の進歩に役立つ公共性の高い研究や開発を実施し、外部有識者からの審査を経る必要があります。

宇宙航空研究開発機構、通称JAXA(ジャクサ)は、管轄省庁が内閣府と総務省、文部科学省、経済産業省が共同でもち、国立研究開発法人としては最大規模の組織です。

管轄名称略称、愛称
文部科学省防災科学技術研究所防災科研、NIED
厚生労働省国立がん研究センター-
環境省国立環境研究所国環研、NIES
内閣府日本医療研究開発機構AMED
文部科学省科学技術振興機構JST
文部科学省理化学研究所RIKEN、理研
内閣府総務省文部科学省経済産業省宇宙航空研究開発機構JAXA(ジャクサ)
文部科学省経済産業省原子力規制委員会日本原子力研究開発機構原子力機構、JAEA

独立行政法人の種類3.行政執行法人

行政執行法人とは、行政の事務や事業を実施する法人です。

主務大臣が1年ごとに目標と計画をが定め、それに基づき事業計画を法人が作成し、主務大臣の認可を受けます。

実績に関しては、外部有識者の審査によって評価されます。

管轄名称略称、愛称
内閣府国立公文書館-
総務省統計センターNSTAC
財務省国立印刷局-
造幣局-
農林水産省農林水産消費安全技術センターFAMIC
経済産業省製品評価技術基盤機構NITE(ナイト)
防衛省駐留軍等労働者労務管理機構LMO/IAA、エルモ

独立行政法人に準じた法人

独立行政法人に準じた法人

独立行政法人ではないものの、独立行政法人に準じた運営がされている法人があります。

関連省庁名称略称、愛称
法務省日本司法支援センター法テラス
文部科学省国立大学法人-
文部科学省大学共同利用機関法人-
文部科学省日本私立学校振興・共済事業団私学事業団

表内の法人は、独立行政法人通則法の規定の一部に準じて運営されています。

【独立行政法人の種類】のポイント

  • 独立行政法人には3種類ある
  • 中期目標管理法人(主務大臣が3~5年程度の中期的な目標を策定する)
  • 国立研究開発法人(化学試験や研究、開発を主業務とする)
  • 行政執行法人(行政の事務や事業を実施する)
  • 3種類以外に、独立行政法人に準じた運営がされている組織もある

独立行政法人の設立は、主に総務省が審査して決める

独立行政法人の設立

独立行政法人を設立するかどうかは、主に総務省が審査を実施して決めます。

新設だけでなく、次の事柄も総務省の審査を経てから行われています。

  • 独立行政法人の業務目的の変更
  • 独立行政法人ごとにある、役割を決めている個別法を改正、または廃止

また、主務大臣による独立行政法人の業務目標策定と業績評価が、客観的かつ厳正に行われるよう、総務省が指針を定めています。

政府唯一の第三者機関、独立行政法人評価制度委員会とは

独立行政法人目標管理の仕組みの図

<引用元:総務省|独立行政法人制度ページ

独立行政法人の業務チェックをおこなう総務省の中には、政府唯一の第三者機関として「独立行政法人評価制度委員会」が設置されています。

独立行政法人評価制度委員会には、次の事項が許されています。

  • 総務大臣が定める目標や評価の指針を、策定・変更しようとするとき、あらかじめ総務大臣に意見を述べることができる
  • 中期目標の策定・変更、中期目標期間における業績評価、目標期間の終了時までの中期目標管理法人・国立研究開発法人の業務、および組織の全般に渡り見直し内容について、主務大臣に意見を述べることができる
  • 中期目標管理法人・国立研究開発法人の主要な事務、および事業の改廃に関して、主務大臣に勧告すること
  • 内閣総理大臣に意見具申(目上の人に意見を述べること)
  • 独立行政法人の業務運営に係る評価の精度に関する重要事項を、調査審議し、必要があると認めるときには、総務大臣に意見を述べること
  •  

  • 独立行政法人の業務運営に係る評価の実施に関する重要事項を調査審議し、評価の実施が著しく適性を欠くと認めるときは主務大臣に意見を述べること
  • その他、法律によりその権限に属させられた事項を処理すること

独立行政法人の運営

独立行政法人とは何か

<引用元:総務省|独立行政法人制度ページ

独立行政法人は、国から独立したので、個別法に従うものの、自分たちがもつ財源を使い運営をおこないます。

基本、国の承認を得ることなく自主的に経営をおこなえ、一般の法人と同じく、法人税と固定資産税の納税もあります。

しかし、一般企業と違い、管轄の主務大臣が「法人ごとに3~5年の業務運営の中期目標」を定め、各法人はこの目標に基づいて計画的な業務遂行をおこないます。

3~5年ごとに、事業計画と業務実績から運営状況を、管轄の評価委員会がチェックします。

経営状態が悪いと、業務内容の見直しと交付金が支給されます。

そのため、民間企業と同じとは言えず、完全に国から独立しているとは言いきれません。

また、「調査自体も甘めなのでは?」という指摘もあります。

【独立行政法人の運営】のポイント

  • 「独立行政法人は自主的に運営する」とはいっても、業務内容や目標を独立行政法人が自主的に決定するわけではない
  • 管轄の主務大臣によって中長期的な目標を定められ、実績が外部有識者によって評価される
  • 管轄の大臣が関与できる事柄は法令で制限されていますので、法人としての自主性・自立性は保たれる仕組みになっている

独立行政法人は国の行政業務から独立した組織

独立行政法人は、国の行政業務から独立した組織です。

しかし、業務内容は公共性があり、業務執行法人に採用されるためには国家公務員の資格を有していなくてはなりません。

いずれの独立行政法人も業務内容や実績を公開していますので、気になる方は各公式サイトをご覧ください。

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