マクロ経済とは?基本やミクロ経済との違いをわかりやすく解説!

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マクロ経済とは?基本やミクロ経済との違いをわかりやすく解説!

経済に関するTVや新聞、ネットのニュースなどで「マクロ経済」と呼ばれる言葉が頻繁に登場します。しかし、「当たり前のように使われてるけどマクロ経済って何?」と思っている人も多いでしょう。
そこで本記事では、経済用語である「マクロ経済」について、わかりやすく詳しく解説していきます。

マクロ経済学とは

マクロ経済学とは

経済は大きく分けて、「マクロ経済」と「ミクロ経済」に分類されます。これらは経済学の一種であり、マクロとは英語で大きいことを、ミクロとは英語で小さいことを意味します。

マクロ経済学とは、経済の大きな(マクロ)動きを分析する学問のことで、購買や消費などの経済活動全体の動きを分析する学問のことをいいます。
「政府や企業、家計を一括りにした経済社会全体の動き」のことをマクロ経済といい、「マクロ経済について分析すること」をマクロ経済学と認識すればわかりやすいでしょう。

マクロ経済学の3つの市場

マクロ経済学の3つの市場

マクロ経済は主に3つの市場を対象に分析します。
 

  • 財市場:物やサービスの生産・消費などを取引する市場
  • 貨幣市場:貨幣や債券、債券に伴う利子など貨幣を取引する市場
  • 労働市場:労働力を取引する市場

 
これら3つの市場を具体的にどのようにマクロ(大きな)の観点から分析していくのでしょう?
そこで、それぞれの市場の考え方についても解説していきます。

財市場

マクロ経済学における財市場は、物やサービスの生産・消費をマクロの観点で考えるというものです。つまり、国内総生産であるGDPについて考えることです。

GDPとは一定期間内に国内で生み出された価値の総額を意味する数値です。GDPの対象は、製造品や農産物など物だけではなく、医療技術や製造技術などの技術力も対象となり、大きな視点での生産を考えます。
そのため、GDPが増加することを「経済成長」、GDPが落ち込むことを「経済不況」と呼ばれています。GDPは、経済指標の一つとして考えられ、マクロ経済学の原則ともいえます。

GDPは生産面・支出面・分配面の三面等価の原則によって基づき、これら生産面・支出面・分配面を常にバランスよく均等に保つことによって、次のように考えられます。
 

  1. 生産面が上昇する
  2. 消費額が上昇するので支出面も上昇する
  3. 支出面が上昇するので企業の売上額も上がり、分配面が上昇する

 
三面等価の原則をしっかりと守ることによって、このサイクル正常に働き、結果的に経済成長に繋がります。

貨幣市場

マクロ経済学では、貨幣や債券、債券に伴う利子を大きな視点から考えます。貨幣市場への考え方は、ケインズ経済学・古典経済学、これら2つの考え方によっても違いがあります。

財を買うために必要な貨幣を保有することを「貨幣需要」といいます。ケインズ経済学では貨幣市場を考える際に、貨幣需要を「取引動機」「予備的動機」「投機的動機」の3つの主張に分けて考えていきます。
取引動機と予備的動機は国民所得が大きく影響し、所得が増えれば将来のための蓄え(予備的動機)や、商品をたくさん購入(取引動機)したりなどの傾向が強くなります。
一方、投機的動機は、利子率による影響が大きいです。例えば、利子率が高い時に銀行に預金しておくと利子によってお金が増えるので、銀行からお金を引き出す機会が減ります。しかし、利子率が低いと銀行に預けていても、お金が増えづらいので、資産を投機や投資に使う(投機的動機)傾向が強くなります。
ケインズ経済学における貨幣市場の考え方は、これら3つの主張から成り立つ流動性の高い経済の理論です。

一方、古典経済学ではケインズ経済学であった投機的需要の考えは含まず、取引動機と予備的動機の2つの主張で成り立つ考え方といえ、「貨幣数量説」と呼ばれる説に基づいた考え方です。
貨幣数量説とは、貨幣の需要は「市場に出回っている貨幣の供給量で決まる」という考え方です。つまり供給される貨幣の量が少なければ、貨幣の需要が高まり、貨幣の供給量が多ければ、貨幣の需要が小さくなるという考え方です。
これは物や為替の考え方にも近く、希少なものであれば物の価値や価格が上がり、簡単に手に入るものであれば物の価値や価格が下がるという仕組みに似ています。貨幣数量説も同じように考えればわかりやすいでしょう。

労働市場

マクロ経済学における労働市場は、労働市場の需要と供給のバランスをマクロの視点から分析していきます。こちらも貨幣市場と同様にケインズ経済学と古典経済学で考え方に違いがあります。

古典経済学における労働市場の考え方は、労働者が増えれば増えるほど賃金は低くなり、労働者が減れば減るほど賃金は高くなるという考え方です。雇う側からすれば、賃金を下げれば、多くの従業員を雇えます。しかし、働く側にとっては賃金が上がることが労働意欲の向上に繋がります。

一方、ケインズ経済学の考え方も、労働者が増えれば増えるほど賃金は低くなり、労働者が減れば減るほど賃金が高くなるという考え方は同じです。しかし、ケインズ経済学の場合、賃金による労働意欲だけではなく、「(たとえ安い賃金であっても)働きたくても働けない人が存在する」ことが含まれているため、古典経済学よりも、さらに複雑な考え方になっています。

マクロ経済学とミクロ経済学の違いとは

マクロ経済学とミクロ経済学の違いとは

マクロ経済学とは経済の考え方の一種です。対なる存在としてミクロ経済学が存在します。

経済の大きな考え方として、マクロとミクロに分類されますが、具体的にどのような違いがあるのかについて紹介します。
 

  • マクロ経済学:社会を大きな枠組みとして捉え、消費と生産の最適化を考える
  • ミクロ経済学:消費者と生産者の消費行動と生産行動の最適化を考える

 
マクロとミクロの違いは、簡単にまとめると上記の通りです。
経済を細かく考えた場合、貿易など国同士の取引、企業間の取引、量販店と個人の取引など、取引の大きさを問わず個別に分けることができます。ミクロ経済学とはこれら取引を個別単位で考えること、マクロ経済学とはこれら取引を個別ではなく全体で考えることをいい、意味や使い方が大きく異なります。

マクロ経済学の元となったケインズ経済学とは

マクロ経済学の元となったケインズ経済学とは

ケインズ経済学とは、イギリスの経済学者であるジョン・メイナード・ケインズの著書「雇用・利子および貨幣の一般理論」を中心に展開された経済学のことです。マクロ経済学の元になったとされています。
ケインズ経済学は、大恐慌に対する解決策に、金融政策と財政政策の2つの政策を取ることで、経済を立て直そうという考え方です。金融政策では利子率の切り下げ、財政政策では社会基盤等への政府投資がこれに当たります。

ケインズ経済学の根本は有効需要の原理にあり、「供給量が減ることで、投資や消費などの需要量も制約される」という考えです。つまり、「不況のときこそ、政府がお金を使って公共投資を行い、景気を回復させよう」と提唱したのです。
これは現代の公共事業の活発化や赤字国債の発行などに通じるもので、当時は画期的で新しい発想として注目を集めました。

アベノミクスはケインズ主義の考え方

最近の日本の大きな経済政策として「アベノミクス」が大きな話題になりました。このアベノミクスはケインズ主義の考え方をモデルにしているといえます。

そこで、まずはアベノミクスの基本的な流れについて紹介します。
 

  1. 金融政策:金融緩和することで利子の引き下げや貨幣の発行する
  2. 財政政策:積極的に工事などの公共投資する
  3. 成長戦略:規制緩和することで民間からの投資をしやすくする

 
この基本的な流れがいわゆる「アベノミクスの3本の矢」と呼ばれるものです。アベノミクスは、円安誘導・デフレ脱却・GDPの拡大・失業率の低下・株価の上昇・企業倒産の減少などの効果が期待されています。

アベノミクスは、3本の矢の「金融政策」と「財政政策」は、中身がはっきりしています。この2つがケインズ主義の考え方をベースにしているとされる大きな要因です。

こちらの記事ではアベノミクスの内容についてわかりやすく解説しています。よろしければ、ぜひご覧ください。
【関連記事:いまさら聞けない「アベノミクス」とは何?わかりやすく解説

マクロ経済学を否定した「ルーカス批判」

ルーカス批判とは、アメリカの経済学者であるロバート・ルーカスによるマクロ経済学の方策を否定した論文のことを指します。

ルーカス批判とは「マクロ経済学はデータを基にして分析し、分析結果によって方策を決定する。しかし、政策を変更してしまったら国民の政策への期待は変化してしまう。それでは十分な政策検討ができない。」といった内容であり、主張です。つまり、「方策を決める上で、データも大事だけど、政策をひとつの生き物として考えた場合、必ずしもデータ通りに上手くいくとは限らない。」といった主張です。ルーカスはこの主張をした上で、経済主体は個々を意識したミクロ分析が重要だとし、ミクロ経済学を取り入れたマクロ経済学の分析が行われる流れを作りました。

わかりやすく解説すると「まずは個々の状況を細かく(ミクロ)分析して、細かい分析を含めたデータに基づき、大きい部分(マクロ)を分析しましょう」と言うのが、ルーカス批判の内容といえます。

マクロ経済学を学べば政策の目的が理解できる

マクロ経済学とは、「3つの市場(財市場・貨幣市場・労働市場)を、金融政策と財政政策で適正にしよう」といった、ひとつの考え方です。

政策や各政党のマニフェストが、ただの理想論なのか学術的な裏付けがあるのかによっても説得力は変わってきます。
マクロ経済学を理解することは、政府が行う政策の狙いや目的を理解する手助けにきっとなってくれるでしょう。

こちらの記事ではアベノミクスが失敗したと言われている原因について考察しています。気になる方はぜひご覧ください。
【関連記事:アベノミクスが失敗だと言われる理由とデータから読み取れる成果を解説

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