排他的経済水域とは?詳細や関係する権利・資源問題等を解説

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排他的経済水域とは?詳細や関係する権利・資源問題等を解説

竹島や尖閣諸島、北朝鮮のミサイル問題のニュースなどを見ていると、「排他的経済水域」という言葉が出てくることがあります。

しかし、排他的経済水域がどんな意味かよく知らない方も多いのではないでしょうか。排他的経済水域の意味、関係する権利や資源問題などを解説します。

排他的経済水域とは

排他的経済水域とは
排他的経済水域(EEZ)は、「海洋法に関する国際連合条約」にもとづいて定められる水域です。

厳密な定義はやや複雑になりますが、大まかにいうと「ある国の周辺の海のうち、基線から24海里(約44km)以上、200海里(約370km)未満の部分」のことをいいます。

例えば、日本列島の周辺の海は日本の排他的経済水域、韓国の周辺の海は韓国の排他的経済水域です。

基線とは、海岸線のやや外側の海に引かれる線です。基線を基準にして、距離が何海里か計算します。実際の海岸線は形が複雑すぎるので、単純化した線を使って計算するわけです。

排他的経済水域では、沿岸国(日本の排他的経済水域なら日本、韓国の排他的経済水域なら韓国)が資源を発掘したり、科学的な研究をしたりできます。他の国が勝手にこれらの行為をすることは認められず、沿岸国のみが持つ権利です。

排他的経済水域に関連する言葉1.領海側

排他的経済水域の意味を正しく理解するためには、関連する言葉を知っておく必要があります。

まずは領海側の基本的な用語である「領海」「内水」「接続水域」の意味を解説します。

領海

領海とは基線から12海里(約22km)以内の海のことです。

領海は領土と同じように、沿岸国が治める権利(主権)を持ちます。主権は海の部分だけでなく、その上の空の部分(領空)、およびその下の地底にも及ぶのが特徴です。

内水

内水とは基線の内側にある海、つまり基線と海岸線の間の海のことです。

基線は海岸線の少し外側に引かれるので、内側にも少し海があります。内側の海のことを内水といいます。

接続水域

接続水域とは領海の外側、排他的経済水域の内側の海のことで、基線から12海里(約22km)以上、24海里(約44km)未満の部分を指します。

ただし、必ずしも24海里までとる必要はなく、どこまでを接続水域とするかは沿岸国が決められます。

接続水域では関税や出入国の管理など、沿岸国がある程度の権力を持てます。

排他的経済水域に関連する言葉2.公海側

次は公海側の用語の中で、排他的経済水域を理解するのに必要な3つの言葉「公海」「大陸棚」「深海底」を解説します。

公海

公海とは排他的経済水域より外側の海のことです。

公海はどの国にも属さず、特定の国が支配することはできません。

大陸棚

大陸棚とは基線から200海里までの海底のことで、沿岸国が資源の発掘などの権利を持ちます。大陸棚は条件によっては200海里以上に伸ばすこともできます。

大陸棚という言葉は地形学など科学的な研究で使う時と、排他的経済水域など法律的な議論で使う時とで定義が違うので注意しましょう。

これらを区別するために、排他的経済水域の議論で使われる大陸棚を「法的大陸棚」と呼ぶこともあります。

深海底

深海底とは大陸棚の外側の海底のことです。

深海底の資源は「人類の共同遺産」とされ、特定の国が勝手に採掘できません。

深海底の資源は「国際海底機構」という国際機関が管理しています。

排他的経済水域と領海の違い

排他的経済水域と領海の違い
排他的経済水域と領海はどちらも沿岸国が権力を持つ海域ですが、権力の度合いや内容には大きな違いがあります。

領海は、領土と同じように沿岸国が権力を及ぼすことのできる(主権を持つ)領域です。

ただし、他の国は沿岸国に迷惑をかけない範囲で船で行き来する権利(無害通航権)を持ちます。

一方で排他的経済水域は沿岸国が資源の採掘などの権利を持つものの、外国の船が自由に行き来したり、飛行機が上空を飛んだりできます。

排他的経済水域が持つ権利のことを「主権的権利」といいます。主権ほど強い権利はないが、ある程度の権利を持っているという意味です。領海には主権があり、排他的経済水域には主権的権利があると覚えておくと分かりやすいでしょう。

日本の排他的経済水域

日本の排他的経済水域
日本の国土は周囲が海に囲まれているので、国土面積に対して排他的経済水域の面積が非常に大きくなっているのが特徴です。日本の国土面積の大きさは世界60位前後なのに対し、排他的経済水域の面積は世界6位の大きさになっています。

日本の近くには韓国や中国、ロシアなどの国が接しているので、200海里の海全てを日本の排他的経済水域にはできません。互いの国の中間くらいのところで、排他的経済水域を分け合うことになります。

韓国や中国、ロシアなどと接する場所では、どこまでを自国の排他的経済水域とするかで意見が対立し、合意が得られないままの状態になっている「係争水域」というものがあります。北方領土周辺や竹島周辺、尖閣諸島周辺などは代表的な係争水域の例です。

日本の排他的経済水域を理解するのに重要なのが、離島の存在です。小笠原諸島の沖ノ鳥島、南鳥島などは非常に面積の小さい孤立した島ですが、島があることで周辺200海里の海を日本の排他的経済水域とできます。

離島の存在は日本にとって大きな利益となっているのです。

排他的経済水域は漁業権や資源問題が関係する

排他的経済水域は、そこで漁業を行う権利や、海底に埋まっている資源を採掘する権利が関係しているため、国家にとって重要な問題です。

竹島や尖閣諸島などにおける、日本と中国、韓国との争いは、漁業権や資源の採掘権をめぐる問題だといえます。互いの漁業権を定める漁業協定を結んだり、韓国との共同開発区域を設定したりと長年に渡り交渉が行われているものの、根本的な決着には至っていないのが現状です。

排他的経済水域は漁業や資源にとって重要なのに加えて、相手国の主張を受け入れて譲歩しなければならない理由もないため、係争が中々解決しないことが多いのです。

日本の排他的経済水域問題の対応:沖ノ鳥島

日本の排他的経済水域の問題としてよく名前があがるのが、小笠原諸島にある沖ノ鳥島です。沖ノ鳥島は東京から1,700kmほど南にある日本最南端の島で、直径は数km程度となっています。

現在、沖ノ鳥島の周囲200海里は、日本の排他的経済水域として認められています。
しかし、満潮時に島のほとんどが水没することなどを理由に、韓国や中国などからは異論が出ています。

異論に対して日本は、満潮時にも水没しない小島を建設したり、島の周辺にコンクリートの護岸を作って浸食を防ぐなどして対応しています。

沖ノ鳥島の事業は、単に島を維持するためだけでなく、珊瑚や魚など自然環境の保護、海洋深層水を利用した実験的な発電所の設置など、保全活動や経済活動にも使われています。

島として国際社会で認められるには、単に海から突き出して陸地を維持しているだけでは不十分なのです。
   

排他的経済水域は島国日本では重要な問題

排他的経済水域は、沿岸国に多くの権利が認められるため、海に接した国土を持つ全ての国にとって重要な問題です。

中でも日本のように国土全体が海に囲まれている島国にとっては、排他的経済水域は特に重要な問題だといえます。

日本に住む私たち一人一人にとっても、排他的経済水域の意味を理解しておくことは大切です。

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