一国二制度とは?わかりやすく意味や、中国・香港・台湾の実情を紹介

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一国二制度関連、中国・香港・台湾の位置図

みらいちゃん右向き「素」

この記事は『一国二制度』についてのお話だよー!

ちずお先生左向き「素」

一国二制度は、中国(中華人民共和国)の政治制度でね。

香港や台湾への政策として、ニュースでも取り上げられているよ。

みらいちゃん右向き「喜」

それじゃ見ていこー!

通常、国の制度は1つのみです。

地方自治体によって条例が定められていることもありますが、いずれも大本は国で、1つの国の憲法や法律、制度を遵守していかなくてはなりません。

しかし、香港や台湾、マカオなどは一国二制度とされています。

一国二制度とは何か、香港や台湾はどう対応しているのかについて解説します。

一国二制度とは

一国二制度とは、と書かれたホワイトボードの前に立つ男性

一国二制度とは、ある国の特定の地域において、国の制度と地域固有の政治経済の制度が両立していることを指します。

たとえば、香港はイギリス領でしたが、1997年に中華人民共和国(中国)に返還されました。

しかし、返還後すぐに中国の法律が適用されるのでは、香港の人々の生活は混乱してしまいます。

香港の実情に合わせた政治が実施できるように、50年間は中華人民共和国と香港の2つの制度を共存していくことになっています。

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一国二制度の実施に至る歴史

中国の高層ビル群

一国二制度は、元々は中華民国の支配下にある台湾(台湾島や、台湾島を中心としたいくつかの地域を含む)を、北京を中心とする中華人民共和国に併合するための案でした。

中華民国である台湾を、いきなり中国にしてしまうのでは、台湾の人々は心理的にも制度的にも中国に反感を持つ可能性があります。

中華民国の法と中国の法を一定期間両立させることで、台湾の人々が中国に反感を持ちにくいようにしようと、中国側は考えたのです。

みらいちゃん右向き「素」

一国二制度って、中国が、香港や台湾といった離れた地域の支配を進めていくために、「中国本土の制度」と「離れた地域の制度」の2つを両立させることなんだね。

ちずお先生左向き「楽」

一気に支配下に置いて、反発されると、手間やコストがかかるからね。
時間をかけて「中国のルール」に慣れされる、という意図だ。

だけど、実際はそう上手くやれているのだろうか?

一国二制度と香港の動き

香港デモ

香港が中華人民共和国に返還された1997年から50年間は、香港を特別行政区として、中国の法と香港の自治法が両立する「一国二制度」が導入されることになっていました。

一国二制度においては、中国では認められていないことでも、香港の自治法で認められていることなら、法律違反に問われません。

たとえば、中国では『言論の自由』は制約されています。

しかし、1997年の中国返還まではイギリス領であった香港では、1997年以降も言論の自由は保障されています。

とはいえ、近年、香港の一国二制度を揺るがす出来事がいくつか起こっています。

とりわけ香港市民の反感を買ったのが、2019年4月に提案された逃亡犯条例の改正案です。

改正案では、「刑事事件の容疑者を中国本土などに引き渡す」ことが定められており、現実になるならば、香港の犯罪容疑者は、香港の自治法ではなく中国の法律によって裁かれてしまうことにもなりかねません。

逃亡犯条例に対するデモの広がりと終結

逃亡犯条例の改正案に反対するために、香港では大規模なデモが繰り返されました。

2019年6月16日には、香港市民の約1/4に相当する200万人がデモに参加し、何人もの香港市民が死傷する騒動に発展したのです。

2019年10月23日、香港政府はようやく逃亡犯条例改正案の撤回を正式に表明し、大規模なデモも一応の終焉を迎えることになりました。

しかし、デモ隊が主張していた他の主張、たとえば「香港政府の行政長官を、香港市民による普通選挙によって選ぶこと」などは、未だ解決を見ていません。

中国政府は一国二制度を掲げ、50年間かけて緩やかに香港を中国化していくと表明してはいるものの、実際のところは急速に中国化を押し進めています。

逃亡犯条例改正案は撤回されましたが、第二、第三の改正案が出される可能性は充分にあると見ることができるでしょう。

一国二制度と台湾の動き

台湾の街並み

元々中国に返還されることが決まっていた香港では、香港独自の自治法はあったものの、いずれは中国と同化することが既定路線でした。

そのため、50年という期限付きではあっても、一国二制度を導入することで、いきなり中国の法律が導入されるよりも香港市民が変化に対応しやすくなっています。

しかし、台湾では事情が異なります。

台湾は「自分たちは中華民国であり、中華人民共和国ではない」と主張し続けています。

そのため、中国と同化する予定はなく、もちろん、現在だけでなく今後も中国の法律に従う理由がないからです。

台湾と中国と福建省の位置図

<上図:台湾、中国、福建省等の位置図>

ただし、台湾の中でも中国大陸側にある福建省金門県に関しては、台湾人というよりも中国人という意識が高い土地柄もあり、部分的に一国二制度が導入されているケースが見られています。

たとえば、中華民国の旗と中国の国旗が並んで掲揚されたり、中国から水道水を供給するパイプラインを引いたりすることで、中華民国と中華人民共和国の2つの制度の並立が図られました。

2019年には、福建省の政府機能は事実上廃止になった、とされています。

一国二制度は今後どうなる?中国政府による国家安全法

紫禁城

2020年、全国人民代表大会(全人代。中国政府の立法府)は、反体制的な言動を取り締まる「国家安全法」を香港に導入することを決定しました。

実際に導入されると、香港は「一国二制度」ではなく「一国一制度」となり、香港の自由自治は機能しなくなってしまいます。

たとえば、香港では言論の自由が認められているため、政府を批判する発言をしたとしても、即逮捕ということにはなりませんでした。

しかし、国家安全法が導入されるならどうでしょうか。

中国政府を批判する発言をすれば、政治犯として中国本土に送還され、中国の法律に基づいて裁かれ、場合によっては禁固刑などを課せられるかもしれません。

一国二制度や香港・台湾の状況に対する国際社会の反応

国連ビル

香港がイギリス領だったときの、最後の香港総督クリストファー・パッテン氏は、国家安全法の導入について「中国は独裁政治を進めている」と表現しました。

また、香港に国家安全法を適用することは、1984年に中国とイギリスの間で締結した中英連合声明(中英共同声明とも)に違反しているとも指摘しました。

なお、中英連合声明では、次の内容などが記されています。

  • 1997年の香港返還後、中国は香港に一国二制度を導入すること
  • 中国政府の主体となっている社会主義を、香港では実施しないこと
  • 香港がイギリス領であった時期に築いてきた資本主義を50年間維持すること

台湾では一国二制度に対する拒否感が強い

1997年の中国への返還を機に、半ば強制的な形で一国二制度が導入された香港とは異なり、台湾では一国二制度の実施には至っていません。

2019年10月に、台湾の大陸委員会(対中国政策を扱う部署)が世論調査を実施したところ、一国二制度について「賛成しない」と答えた台湾住民は9割弱にも上りました。

中国政府の干渉を受けない台湾政府のあり方について「現状維持を支持する」と答えた人も8割弱と多く、一国二制度に対して強い拒否感があることが分かります。

一国二制度の動向はアジアや日本にも影響があるので今後も注目!

一国二制度は、一見、穏やかな制度のように思えます。

しかし、中国の対香港・対台湾の動きを見ると、強制的に中国に取り込むための「方便」以外の何物でもありません。

今後、一国二制度がどのように変化するのか、世界の一員として、そして、アジアの一員として、ニュースに注目していく必要があると言えるでしょう。

みらいちゃん右向き「呆」

香港や台湾の人たちにとって「人権も保障されない中国のルールなんか嫌だ!」という感じかな?

ちずお先生左向き「喜」

天安門事件、香港デモ、チベット、ウイグル、人権活動家を「反体制」として投獄……「嫌だ!」と思うに至る材料はまだまだあるね。

みらいちゃん右向き「素」

当分は、中国の動きをチェックだね……。

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