なぜEU離脱(ブレグジット)をするのか?理由やイギリス情勢を解説

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ロンドンの街並みや二階建てバス

2016年6月の国民投票で、イギリス国民の過半数がEU離脱を希望していることが明らかになりました。2017年3月にはEUに正式に離脱を申し入れましたが、その後、交渉が難航し、現在に至っています。

なぜイギリスはEU離脱をしたいのか、また、離脱によるメリットとデメリットについて解説していきます。

EU離脱(ブレグジット)とは

欧州旗と英国旗

イギリスがEU離脱することを「Britai(イギリス)」と「Exit(離脱)」を合わせた造語・Brexit(ブレグジット)と呼んでいます。

イギリスではEU離脱を求める声が多く、2016年の国民投票の結果を受けて、再三、EUに離脱を申し入れています。

しかし、EU側が提示する条件をイギリス議会が否決するなど、EU側とイギリス側の合意が得られず、離脱は実現していません。

EU離脱(ブレグジット)したい理由

そもそも、なぜイギリスはEUからの離脱を望んでいるのでしょうか。いくつかの理由がありますが、その中でもとりわけブレグジットを語る上で取り上げられることが多いのが移民問題です。

EU諸国の人々はEU圏内なら自由に移動できますが、イギリスはEU諸国のなかでも平均所得が高いため、EU内の低所得の人々がイギリスに働きに来るケースが少なくありません。

実際に国民投票でイギリスがEU離脱を望んでいることが明らかになった2016年まで、イギリスに移民するEU諸国の人々の数は右肩上がりで増えていました。

イギリスにとってEUの一員であることは経済的損失が多い

また、イギリスは世界有数の経済大国であるため、EUという組織に毎年日本円で1兆円ほどの多額の費用を出しています。しかし、EU内には経済的に厳しい国も多く、EUに参加することで得られる利益よりも支出のほうが多いと考える英国民も少なくありません。

そのほかにも、EUに加盟することで、多くのルールに縛られてしまうこともデメリットだと考えられています。自由にEU以外の国々と協定を結びにくくなることも、貿易大国であるイギリスにとってはデメリットです。

EU離脱(ブレグジット)が進まない原因

2016年、国民投票によって「EUから離脱したい」というイギリス国民の民意が明らかになったものの、まだイギリスはEUから離脱していません。

民意を受けてイギリス政府は何度かEUと離脱交渉をおこなっていますが、EU側が提示する離脱の条件をイギリス議会が否決しているためにブレグジットが実現していないのが現状です。

EU側の条件をすべて飲むとEU離脱のメリットがない

EU離脱が進まない理由としては、EU側が提示している離脱の条件のなかの1つに、「北アイルランドとアイルランドの国境審査を厳格にしない」という一文があることを挙げられます。

北アイルランドがイギリスの一部であることで、テロ組織であるIRA(アイルランド共和軍)が生まれました。イギリスがEUに加盟しているときには、同じくEUに加盟しているアイルランドとの国境審査は厳格ではなく、IRAをそれほど刺激せずに済んでいました。

しかし、イギリスがEUから離脱すると再び厳格な国境審査がおこなわれることになりますので、IRAのテロ行為も激しくなると予想されます。

そのため、EUでは離脱の条件として

  • アイルランドとの国境審査を厳格にしないこと
  • 関税を設けないこと

を提示しています。

とはいえ、関税を設けないことは、アイルランドだけでなく他のEU諸国に対しても適用される仕組みです。

関税がコントロールできないため、イギリスにとっては完全な離脱とはならず、離脱のメリットもほとんどなくなってしまうのではと危惧されています。

EU離脱(ブレグジット)するとどうなるのか?

欧州の為替レート

EUから離脱することで、イギリスには多大なメリットがあると考えるイギリス国民が多いのは事実です。しかし、実際にはメリットだけでなくデメリットもあり、慎重に考えなくてはいけない問題です。

国民投票の際も圧倒的多数の国民がブレグジットを支持したわけではなく、ロンドンやカーディフなどの都市部では、ブレグジットに反対する声のほうが多くありました。

イギリスがブレグジットすることで起こり得るメリットとデメリットについて見ていきましょう。

EU離脱のメリット

EUに加盟している限り、EU諸国内からの移民を制限することは困難です。

EU離脱をすることでEU諸国内からの移民を規制したり、国別に上限を定めたりすることができるようになるでしょう。

また、毎年、EUに支払う費用の負担がなくなることも、EU離脱のメリットです。

それ以外にも、貿易上のメリットもあります。輸入製品に関税を課すことができますので、国内産業の保護や税収増を見込めます。

EU離脱のデメリット

EU加盟国ではなくなることで、EU内を自由に行き来できなくなります。入出国のたびにパスポートコントロール(出入国審査)が必要になり、時間も手間もかかるようになります。

また、関税がかかるため、イギリスの物価が高くなり、国民の生活にも影響が生じる恐れがあるでしょう。

現在、イギリスの首都・ロンドンには、多くの世界的企業がオフィスを構えています。イギリスの独自性を魅力に感じてロンドンを選んでいる企業も多いですが、ロンドンをEU諸国への拠点として捉えている企業も少なくありません。

イギリスがEUから離脱すると、現在ロンドンにオフィスを構えている企業の大半が、ドイツなどの他のEU加盟国に移転するのではと見られています。

さらに、EUから提示されている離脱清算費が高額だという点もデメリットの1つです。2018年11月時点でEUから提示された金額は390億ポンドで、日本円で5兆7,000億円でした。離脱清算費はイギリス国民の税金から支払われることになりますから、生活が圧迫される可能性は濃厚です。

EU離脱(ブレグジット)にまつわるイギリス情勢

テムズ川の観覧車「ロンドン・アイ」

イギリスがEUからの離脱を宣言してから、幾度となくEU側との話し合いがおこなわれてきました。

EUが離脱の条件を提示してイギリス議会が否認するといったやり取りが繰り返されているなか、イギリスでは「ブレグジットはすでに決まったこと。いつブレグジットをするのか」という空気が流れています。

しかし、離脱がスムーズに進んでいないことで、「本当に離脱してもよいのか」という考えがイギリス内で増えてきているのも事実です。

なぜEU離脱で揉めるのか?知識を持つと欧州情勢がわかりやすくなる

「なぜEU離脱で揉めているのか」という疑問に対する答えは簡単です。
EU側から提示された離脱条件にイギリス側が納得しないからです。

本当にブレグジットをするのか、また、離脱後はどうなるのか、これからもヨーロッパ情勢のニュースに注目していきましょう。

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